こんにちは、arto総研のToshiroです。いつもお読みいただきありがとうございます。今回はバロック美術の紹介です。
バロック美術
バロック美術はルネサンス(マニエリスム)の後に登場する美術様式のことをいいます。
バロックの背景は複雑で一概には言えないのですが、あまり細かいことを言い出すと面白くないので、わかりやすさを追求しますが、この記事の内容が正しいとは思わないでください、「ほーん、そういうのがあるんだね」程度に感じてもらえればと思います。
元々はカトリック教会が力を持っていたのですが、ルター(つまりプロテスタント)が登場したことで、その力が弱まってきました。「このままでは信者(お客様?)がプロテスタントに流れてしまう」と考えたカトリックは改革を行います。
その結果、教会はより派手に、より動きのある表現が好まれるようになり、バロック様式が生まれることになります。画家にとってのお客さんは主に教会であるのですが、お客さんが求めるものを作らないと生きてはいけないので、そういう様式の作品が作られることになりました。
またバロック期には大きく分けて2つの流れがあります。カトリック教会を中心としていた地域、つまりイタリアやフランドルではダイナミックな動きのある作品が好まれたのに対し、プロテスタントが中心の地域、主にオランダでは現実的な表現が好まれました。
「バロック」という言葉の由来なのですが、「ゆがんだ真珠」という意味のバロッコから来ていると考えられています(諸説あり)。その意味からわかるように、元々は軽蔑的な意味で使われていました。
バロック以前にはルネサンスがあったわけですが、ルネサンスの特徴である合理的な表現から逸脱している、という評価が与えられたのです。変に派手で過剰な表現はおかしいんじゃないの?ということです。しかし現代では17世紀頃の美術を表す言葉として使われています。
イタリア
バロックの始まりはイタリアが中心となって発展していったと考えられています。そのイタリアで最も活躍したのがカラヴァッジョです。
日本では美術や芸術というとレオナルド・ダ・ヴィンチが一番偉いみたいに言われるのですが、このカラヴァッジョはレオナルドを凌駕するほどの人物で、後の画家に多大な影響を与えました。
カラヴァッジョは明暗表現を得意とするのですが、この明暗表現はバロック美術の発展に大きく貢献しています。
『聖マタイの召命』
こちらはカラヴァッジョの代表作です。光と影のコントラストが印象的な作品です。右にいる指を出している人物がイエスなのですが、その指の先には聖マタイがいます。イエスの頭上から強烈な光が差し込んでいますが、この光がマタイに向けられており、光でイエスの意志や神というものを表現しています。
バロック期のイタリアの画家としては他にカラッチ一族が有名で、カラヴァッジョと共にバロックの発展に大きく貢献しています。
フランス・スペイン
イタリアは芸術の中心的存在だったのですが、政治や経済などの社会情勢の変化により、芸術の中心はスペイン、そしてフランスへと移っていきます。
スペインの代表的な画家としてはベラスケスが有名です。
こちらはベラスケスの代表作『ラス・メニーナス』
フランスではラ・トゥールが活躍しました。
こちらは『悔悛するマグダラのマリア』という作品で、明暗表現が特徴的です。カラヴァッジョから強い影響を受けていることがわかります。ちなみにフランスではバロック美術というよりも古典主義を貫きました。
フランドル
フランドルではプロテスタントが強かったのですが、カトリックが力を持つようになります。そのためフランドルではいかにもバロックというような派手で躍動感に溢れる作品が多いです。有名どころでは巨匠ルーベンスがいます。
こちらはルーベンスの『戦争の惨禍』。躍動感すごいですよね。
フランドルの画家にはルーベンスの弟子であるヴァン・ダイクが有名です。しかしヴァン・ダイクは活動拠点をイギリスへと移しました。
オランダ
オランダではプロテスタントが力を持っていたので現実的な表現の作品が好まれました。有名どころではフェルメールがいます。
こちらはフェルメールの『絵画芸術』。日常を切り取ったような、そんな表現がなされています。
オランダの有名な画家では他にレンブラントがいます。
こちらは有名な『夜警』。光と影の対比が印象的ですね。ただ美術史的に言えば、レンブラントはあまりバロック的ではないと言われています。
バロック美術をざっと紹介してみました。かなり大雑把になったので解説になっていないような気がしますが、バロックの簡単な特徴くらいは押さえられたかな、と思いたいところです。
詳しく知りたい方は、何だかんだでウィキペディアがまとめてくれているのでオススメですよ。
西洋美術史 - Wikipedia、バロック - Wikipedia、バロック美術 - Wikipedia、バロック絵画 - Wikipedia
今回もお読みいただきありがとうございました。
Toshiroでした。それでは、また。
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