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 太平洋戦争が終わった1945年8月15日の前日に大阪市で起きた「京橋駅空襲」の慰霊祭が14日、JR京橋駅南口近くにある慰霊碑前で開かれた。遺族ら約240人が犠牲者へ祈りを捧げ、地元の小学生が「身近な京橋駅で残酷な空襲が起きたことを忘れない」などとする作文を読み上げて千羽鶴を捧げた。

 京橋駅空襲は45年8月14日昼に発生。大阪砲兵工廠を狙った米軍の爆弾が投下された。500~600人にのぼったとされる犠牲者の慰霊祭は55年に始まったが、多くの遺体を見ながら線路伝いに帰宅した藤澤節子さん(85)=大阪府茨木市=は今年が初参列。当時を思い出すことがつらくて来られなかったという。藤澤さんは「空襲警報が鳴って隣の駅で下車して防空壕(ごう)に逃げ込みました。あの頃は生と死が紙一重でした」と声を震わせた。(宮崎園子)