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軟弱地盤はNG!!
なぜ建設地の地盤や地質が大切なのか?
耐震性の高い箱形構造の建物でも、建設地の地盤や地質が悪ければ、せっかくの安全性も台無し。
地盤や地質は、中古マンションの耐震性や耐久性を建物構造以上に決定する重要な要素です。
阪神・淡路大震災の時も、被害が多かったのは海沿いの埋め立て地や山際の傾斜地でした。
軟弱な地盤は地震被害に直結
中古マンションを買う前にどんな地盤の上に購入予定の物件が建っているのか、事前に調べておく必要があります。
ではどうやって、素人の私たちが地盤の善し悪しを見ればよいのでしょうか?
素人でもわかる!カンタン地盤鑑定法
大切なのは杭打ちや基礎工事、構造対策などの処置がしっかり行われているかをチェックすること。
「設計図書」を見せてもらい、これらの点を確認すれば良いのです。
ポイントは「設計図書」に載っている杭の長さと基礎工事の内容、ボーリング調査のデータ。
たとえば杭の長さは「設計図書」の「構造図」の最初のページで確認できます。
地盤&基礎工事、杭打ちで地震への強さが決まる
マンション全体を支える基礎工事は、一般的に支持層と呼ばれる固い地盤に杭を打ち込む「杭基礎」という工法で行われます。
しかし固い地盤に建てる場合と比較して、湿地やもともと沼や川だった土地に建物を建てるときは、安全性に配慮が必要。
地盤の弱さに合わせて、より深く杭を打ち込んだり、建物そのものを地震に強い構造にすることで安全性を確保するのです。
杭が長い=軟弱な地盤は液状化することも!
基本的には杭が固い地盤まできちんと打ち込まれていれば、多少の地震は心配いりません。
しかしこの杭が30mや50mなど、あまりにも長い場合は、柔らかい軟弱な地盤である可能性が高いのです。
地盤がゆるいと地震の影響で建物の下の地面が液状化し、建物全体に大きな被害をもたらす可能性もあります。
傾斜地や埋め立て地はできるだけ避けよう!
杭は長くなればなるほど、固い地面からの重心が高く、不安定となるため、地震の時の揺れも大きくなります。
傾斜地なども地崩れの可能性があるため、地盤が不安定な代表例だと言えるでしょう。
ボーリング調査による地質データもしっかりチェック!
同じく「設計図書」で調べることができるのが、ボーリング調査による「地質調査書」のデータです。
この「地質調査書」には、建物の建設を始める前の地盤調査の詳細が記されています。
建設地の地盤の土質や地層がどうなっているかがよくわかるので必ずチェックしましょう。
「地質調査書」の「地質柱状図」で地質がわかる
チェックすべきは「地質調査書」の中の「地質柱状図」です。
地盤の強さは、「N値」と呼ばれる専門数値で示されますが、これが50以上あるところを確認してください。
50以上は支持層に到達したことを意味するため、そこまでの深さ・深度で表面の地盤の質がわかります。
地表から35m以内にN値50以上の支持層があれば、比較的良い地盤だと言えます。
また50以上の数値が5m以上に渡っていれば、まず固い地盤の上に建っていると思って良いでしょう。