【バレー】佐藤あり紗を支える姉妹の絆!お守りにヘアゴム
◆リオデジャネイロ五輪 バレーボール女子1次リーグA組第3戦 ブラジル3―0日本(10日・マラカナンジーニョ)
予選リーグで激闘が続く女子バレーボール。日本は11日(日本時間)、ブラジルに敗れて1勝2敗となった。残り2試合に準々決勝進出をかけるが、守備のスペシャリストとして世界の強豪スパイカーと対峙(たいじ)しているのが、リベロの佐藤あり紗(27)=日立リヴァーレ、仙台市出身=だ。佐藤を陰で支え続けてきた実姉・板橋えり香さん(32)が、妹との絆を語ってくれた。
「小さいときから活発というか、こちらが心配になるぐらいチョロチョロ動く子。よく、(服の)後ろをつかんで『危ないから』って止めてました」。仲の良さを感じさせる昔の写真を横に、6学年上の姉・えり香さんが佐藤のことを語り始めた。「年は離れてますが、私の持ってる物とかやっていることとか、まねしようとしてましたね」。バレーボールに興味を持ったのも、ママさんバレーをやっていた母・孝子さん(61)と、スポーツ少年団で始めたえり香さんの影響。佐藤が幼稚園の年長のとき、「私の試合を見て『お姉ちゃん、サーブ失敗したね』とか言われました」と笑う。
今でも電話やSNSで何でも気軽に報告してくる妹だが、1度、深刻な話をしたことがあるという。2014年に佐藤は左膝のじん帯を損傷し、一時は引退に心が傾いた。「こんな状態じゃ、やれないんじゃないかな。辞めようかな」と珍しく弱音を漏らす妹に「『先生とか指導者の方とか、いろんな人の支えがあってここまで続けてきたんだし、今、その決断をするのは早いんじゃないの?』とは伝えました」。
佐藤がブラジルへ出発する前、えり香さんは思いを込めた“お守り”を渡した。「私は現地に行けないので、試合のときに髪を結ぶヘアゴムを渡しました。少しでも心の支えになれば、と。ゴムを三つ編みにして作って、日本代表のカラーの赤と、(佐藤の所属チームの)日立(リヴァーレ)の青、それと黄色の3色。テレビだとちょっとしか見えないけど、着けてくれてたような…(笑い)」。初戦の韓国戦前には「いつも通りに。大丈夫! できる!」とLINEでメッセージを送ったら「頑張る」と返事が来た。選手村での様子を写した写真も受け取り「元気だな、雰囲気を楽しんでるな、と感じました」
予選リーグも残り2試合。妹に望むことは? 「もちろん決勝トーナメントに勝ち上がることも大事ですけど、まず自分の力を出し切ること。自分の仕事をちゃんとして、チームに貢献してほしいです」
◆佐藤 あり紗(さとう・ありさ)1989年7月18日、仙台市出身。27歳。小学2年でバレーボールを始め、古川学園では春高バレーや全国高校総体に出場。東北福祉大4年でリベロに転向。2012年に日立リヴァーレに入団。13年に全日本メンバーに選ばれ、秋のワールドグランドチャンピオンズカップ銅メダルに貢献。16年、日本代表に復帰し、リオ五輪世界最終予選と本戦に出場。165センチ、52キロ。
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