お盆入り前日、観光客、帰省客で満席だったジャンボ機は、離陸から44分後に墜落する。乗員乗客524名のうち生存者は4人。この悲劇を風化させてはならない。事故直後に現場に駆けつけた3人の証言。
現場はどこだ!?
米田憲司 昭和60年8月12日、羽田発大阪行きの日航123便が群馬県の御巣鷹の尾根に墜落。乗客、乗員併せて520名もの犠牲者を出し、4名が重傷を負いました。犠牲者には歌手の坂本九さんもいました。単独機の航空機事故としては史上最悪で、早いものであれから32年目の夏を迎えます。
よねだ・けんじ/1944年生まれ。フリージャーナリスト。航空、鉄道、軍事、環境問題等の分野を取材。著書に『御巣鷹の謎を追う 日航123便墜落事故』など
松本逸也 私はアラブなどで戦場も取材しましたが、あれほど凄惨な現場はほかにはありませんでした。
まつもと・いつや/1946年生まれ。'69年朝日新聞入社。カメラマンとして墜落現場を取材。東京写真部編集委員、名古屋写真部長を経て、目白大学社会学部教授
藤原洋 私も大型機の事故調査は何度か経験していますが、キャリアの中で一番悲惨な事故です。
ふじわら・ひろし/1928年生まれ。元運輸省航空事故調査委員会首席調査官。日航機事故では現場調査の責任者を務める。NPO法人航空・鉄道安全推進機構顧問
松本 第一報は19時10分頃、時事通信の緊急ファックスでした。「東京発大阪行の日航123便がレーダーから消えた」と。私は車にカメラ機材などを積み込み、とりあえず朝日新聞本社から西に向かって車を走らせました。
藤原 私に連絡があったのはNHKの19時のニュースが始まったとき。自宅でこれから夕食をとろうかというときに勤務先の運輸省から電話があり、霞が関に向かいました。
松本 夜間の山奥ということで、なかなか墜落現場がわからなかった。しばらくして本社から連絡があり、「横田基地から半径70~80km内」と、謎解きみたいなことを言うんです。いったん本社に戻り、それから現場探しの大迷走が始まりました。
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