日本ばかりではないともちろん心のどこかでは思いたいんですが、どうしても日本が活躍した後にルールが変更されて日本選手に不利になることが多いように思うんです。もちろんタイミングだとは信じたいのですがちょっとまとめた「ルール変更」あるある。
スキージャンプの板
長野オリンピック以前 身長+80センチ
長野オリンピック以降 身長の146%以下(現在145%以下)
ラージヒルで船木が金、ノーマルヒルで船木が銀、そして団体が岡部、斎藤、原田、船木の「日の丸飛行隊」が金メダルと日本大活躍の冬季オリンピックになった。
浮力を得られるためにスキー板は長いほうが有利。例えば身長170cmの選手と身長180cmの選手が使える板はこんなふうに変わる。
長野以前
170cmの選手 身長170+板80=250cm
180cmの選手 身長180+板80=260cm
長野以降
170cmの選手 身長170×145%=246.5cm
180cmの選手 身長180×145%=261cm
船木は175cmあったし船木にノーマルヒルで勝ったヤニ・ソイニネンは171cmしかなかったけど、一般的に日本人選手よりヨーロッパ選手のほうが背が高い事が多い。日本人不利なルール改正と考えてしまっても仕方ないんじゃないか。
バサロなど潜水泳法
1956年メルボルンオリンピック
古川勝が平泳ぎのスタート時に40メートルも潜水し水面の造波抵抗を避ける泳法で他選手を圧倒、ゴール手前も15メートル潜水して金メダル。しかし翌年ルール改正で現行の平泳ぎと同じ「ひと掻きひと蹴り」のみと決められます。
1988年ソウルオリンピック
鈴木大地が100メートルのスタート時30メートルのドルフィンキック(バサロ泳法)でバーコフ選手と争い金メダル。しかし翌年スタート時の潜水泳法は10メートルまで(その後15メートルまで)とルール改正。
潜水というのは呼吸が苦しい反面、造波抵抗を避けることでタイムを縮めることができるんですよね。もちろん下手な人がやってもダメですけど(笑)鈴木大地の金メダルの時は実際にテレビで応援していましたが、前半の50メートルのうち半分以上潜ってるっていうのはどうなんだろうとは思いましたね。
その後も青山綾里がバタフライで30メートルくらい潜って世界選手権で優勝したあとも15メートルまで、と決められます。自由な泳法のはずの自由形も今はルールが変わっていて
スタートおよび折返しの後、身体が完全に水没していてもよい距離15mを除き、競技中、常に身体の一部が水面上に出ていなければならない。また、スタート、あるいは折返しにおいて、壁より15m地点までに頭が浮上しなければならない(頭が完全に水面上に出ていなければならない)。
つまり飛び込んだら15m以内に浮上しなくちゃいけないという不自由な自由形。
東洋の魔女こと女子バレーボール
1964年の東京オリンピックで日本女子バレーボールチームが金メダル。「東洋の魔女」と呼ばれ圧倒的な強さを見せました。
が、金メダルの翌年ルール改正。6人制は「ブロック時もオーバーネットは禁止」だったものが「ブロック時ならオーバーネットもOK」に。背の高い外国選手がジャンプしてブロック、手を相手ネットの方まで伸ばしてもOKになったということです。
規則14.3: ブロックでは、相手チームのプレーを妨害しない限り、選手は手と腕をネットを越えて伸ばしても良い。 しかし、相手チームがアタックヒットを行うまでは、ネットを越えてボールに接触することは許されない。
これは日本だけ不利、というわけじゃないですけど当時はさぞモヤモヤしたでしょうね。
柔道
実は柔道についても文句を言いたいと思ってました。というかすでに文句を言ってたんですが。
ルールの改正が2014年にあったようなのですが、その時に「一本志向」が明確になり、効果を積み重ねて勝ちを狙うようなことができなくなったようです。ただ、色んな物の名残りなのか「相手に技をかけさせない」動きも目につくんですけどね。
リオオリンピック柔道で「効果」の判定がなくなった?各判定の基準と「効果」判定がなくなった理由
柔道については実は「日本の昔ながらの一本!」に戻ろうという動きなのかもしれません。
その他いろいろ
- ノルディックスキーの荻原健司
- キム・ヨナと浅田真央
- 野球、ソフトボール
- レスリングの存続(ギリギリ)
次に来るのはこれなんだろうなぁきっと。
これから男子体操の個人種目が始まるわけです。団体で金をすでに取ってる日本チームが勢いに乗って個人種目も独占したりすると・・・なんか嫌な予感がしますよ。そうであってほしくないんですが。床が跳ねなくなるとか、つり輪の得点だけ倍にするとか(むしろこじつけw)
いや、わかるんですよ、わかるんですけど
「そんなのこじつけだ」「ルール改正で不利になるのは日本だけじゃない」って言いたくなるのもわかるんですよ。でも、でもですね。
きっと日本選手が今までのルールややり方を超えて考えた突拍子もない方法、技術、作戦というものがきっと世界にとって異端で受け入れられなかったということなんでしょうね。
そのままそれが世界的に認められてしまうとスポーツの根底から覆ってしまうようなことにもなりかねない、とか。あの時鈴木大地の「ひたすらバサロ」を見た時に感じた違和感のように。
ちょっとモヤモヤが残りますけど我慢します!その時のルールで精一杯頑張ってる選手に申し訳ないので!!実際に変わったらまたブログでグズグズ書きます!!