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ホモがBL漫画を斬るわよ!

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氷太が選んだ名作漫画達
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『男やもめも花は咲く/ゆくえ萌葱先生』―失って得たもの―【BL漫画感想】

*感想 *名作 ドラマ ほのぼの -ゆくえ萌葱先生
男やもめも花は咲く【Renta!限定特典付き】

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やっぱり1人じゃ無いっていいね――

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こんにちは、氷太よ。

今日はゆくえ萌葱先生

『男やもめも花は咲く』

を頂いていくわね。

アタシ年上が好きなんだけど、2次元だと年下が好きなのよね。

だから基本的にBL漫画にオッサンが登場しても

「・・・ごめんなさい。」

ってスタンスだったのよね。

「アタシ達、結ばれない運命なのよ・・・(髪の毛をファサッとかきあげながら

って感じだったのよね。

 

気持ち悪いでしょう?もっと言いなさい。

 

ところが、この『男やもめも花は咲く』に出てくるオッサンは違うのよね・・。

感情の変化と共に、少年のような輝きを放つようになるのよ。

しみじみと思ったわね・・・。

「ああ・・・オッサンも良いもんなんだなぁ・・」って。

 

この気持ち、2日酔いになった時にシジミ汁飲んでる時のような感覚に似てるわね。

なに?2日酔いになった事ないからわからんだと・・?

なあに、貴様もどん底に落ちた時に味わう事になるさ・・!!

あらすじ

「俺が元気わけてあげますから!!」

四十路になり、離婚。仕事は忙しく、部下は使えない。

最近いいことがなく下を向いて生活していた植松が出会ったのは牛丼屋でバイトしてる大学生・旭川。

仕事終わりの心がやすらぐ何気ない一時。親しくなったある日、突然旭川からデートのお誘いをされて……!!

こんな感じの物語ね。

 

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やべえよやべえよ・・絶対にこんな展開俺の人生にねえよ・・・。

「救急車通ったろ?俺に失神した女が乗ってるよ」

って発言するくらい機会がねえよ・・・。

 

なんだよこれは・・・。

どこの牛丼屋でこんなサービスしているの・・・!?

 

きっとこの作家さんはオッサンが好きなのね。

6対4・・・いや7対3くらいの割合で、このオッサン視点で物語が進んで行くわ。

物語序盤こそ、このオッサンの大人の余裕っていうのがそこかしこに醸し出されて何気取ってんだテメーはという感想だったんだけど、考えてみればそうよね。

相手は2周りくらい歳が違うんだもの。

初めこそはそんな感じなの。

でも段々と柔らかく変化を遂げていく・・・。

そんな物語になっているわ。

 

登場人物

旭川(表紙下)

牛丼屋でアルバイトをしている大学生。

父親はおらず、初めは父親としての存在を植松に重ねる。

実は男・女どっちも大丈夫。 

植松(表紙上)

災難続きのくたびれたリーマン。

仕事終わりによく寄る牛丼屋で旭川と出会う。

年齢的なものもあり、機械オンチ。

作中で出てくるスイカまん可愛いよスイカまん。

 

想感

ぶっちゃけもう1度言わせて貰ってもいいかしら?

オッサンってこんな良い物だったの・・・!?

 すっげえフェロモンが出てるのよね~・・・!!

 

―読む前の氷太―

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―読んだ後の氷太―

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この物語の見所は旭川の真っ直ぐな情熱にできるだけ応えてあげたいという、恋愛感情とは少し違うものから、次第に惹かれていきまるで若返ったように感情に囚われていく植松さんの変化ね。

もうここ、やばいわよ。

アタシ、恋愛物ってさ高校生同士の組み合わせこそが最もプラトニックでピュアな関係性を持つものなんだなって思ってたんだけど違うわ・・・。

時代はね、歳の差カップルよ。

失っていたものを取り戻していく・・。

この要素がこんなにも輝きを持って表現されるものだとは思わなかったわ・・・。

もう最後の方なんか見てて赤面しちゃうくらい初々しいのよ。

むしろ植松さんの方が年下みたいになっちゃうの。

 

アタシも分かるわ。

好きな人と一緒に居ると、胸がドキドキしちゃうものよね。

でも、漫画でそれを表そうとすると本当に難しいと思うのよ。

大体の漫画が、「ドキドキ」っていう擬音語に頼らざるを得ないような描写だと思うの。

 

でも・・この漫画は違う。凄いわ。

絶え間なく脳裏によぎる言葉を、短い文字で重ねてモノローグにして挿入しているからなのかしら。

例えそのコマから表情が見えなくたって鼓動が確かに伝わってくるの。

音が聞こえてくるのよ。

 

そしてもう1つ、植松さんの娘が登場するのよね。

アタシ正直初めは

「とっとと退場しろよ・・空気読めやこのクソ尼!!」

とか思ってたの。

珍しいでしょう?この温厚なアタシがよ?(白目

でもこの子の父親に対する想いとか、父親が恋をしている事に気付いた時の描写。

ここ、この世界観に引きずり込まれるわよガチで。

ここの描写、アタシ男だから断言できるけど、絶対に男の作家さんには描く事ができない見せ方よ。

繊細な人が、繊細なキャラクターを必死で描こうとしない限り、こんなに繊細な感情を表現するってできないと思うのよ。

普段生きてて、思いもしないような考えだったのねこの子の持っている感情って。

 

ああ・・女性って、強いんだな・・。

って、そう思えたの。

ここの部分も注目して見て欲しいわね。

 

まとめ

世の中のオッサン好きに加えて、オッサンにアレルギー反応持っている人でもすっと馴染める事のできる漫画。

かけがえのない物を失った人が、もう一度幸せを見つけていく再起の物語。

「泣く」とは違う感動が貴女を包むと思うわ。

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