社長に戴氏 鴻海副総裁、社外登用は初
経営再建中のシャープは13日、臨時の取締役会を開き、同社を買収した台湾の電子機器受託製造大手、鴻海(ホンハイ)グループの戴正呉副総裁(64)が同日付で社長に就任する人事を決めた。社外からのトップ登用は、1912年の創業以来初めて。
戴氏は鴻海のナンバー2で、ソニーやパナソニックから製造受託契約を取り付けて頭角を現した。
日本語に堪能で郭台銘会長からシャープ再建のかじ取り役を任された。コスト管理にたけ、シャープの経費削減に意欲を見せている。
この日の取締役会では鴻海日本法人の代表取締役で、鴻海とシャープが共同運営する液晶パネルメーカー前副社長の高山俊明氏(40)が代表取締役に就任する人事も決めた。
高橋興三前社長は、鴻海から3888億円の出資が完了した12日に退任。取締役9人のうち6人は鴻海側が指名しており、鴻海主導で再建が進むことになる。【土屋渓】
戴 正呉氏(たい・せいご)台湾・大同工学院(現大同大)卒。台湾の電機大手、大同グループを経て86年鴻海精密工業入社。04年7月から鴻海グループ副総裁。台湾出身。