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 俳優の石原さとみさん(29)は、ドキュメンタリー番組などで元日本兵や被爆者と出会い、戦争や体験の継承について考えてきた。戦後71年。「戦争のある世の中にしちゃいけない。じゃあ、日本はどういう立場でいないといけないんだろう」。主に若い世代に向け、語ってくれた。

 石原さんが戦争について考えるきっかけとなったのは、20歳前後の頃に出演したテレビの複数のドキュメンタリー番組だ。戦争体験者から直接話を聞いた。

 18歳。戦後も約30年間、フィリピンで潜伏した元少尉の小野田寛郎さん=2014年に91歳で死去=と旅をした。小野田さんは「おなかがすいていて、目の前に食べ物があったら、さとみちゃんはどうする」と尋ね、「食べたいでしょ? 殺されそうになったら生きるためにどうする? 人を殺すと思わない?」と語りかけた。

 「子どもながらに怖いと思って、そう思うかもしれないけど、自分だったらそうするかなとか。すごく怖くなりました。そういうことにならない世の中にしないといけないと、ものすごく思いました」

 20代前半には、長崎の被爆者が入所している原爆ホームを訪れた。知り合った女性には、昨年もプライベートで会ったという。

 「原爆のことを思い出す作業すらつらいという人が多い、と聞きました。ホームでは被爆劇を上演している。当時の記憶で脚本を書いて、当時の格好をして、怖さを表している。他の人にはできないことだけど、苦しみから逃れることができないって、なんて残酷だろうとも思いました」

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