オーストラリアの電力網事業や英国の原発事業などに進出しようとしていた中国企業に相次いで「待った」がかかっている。各政府は、国の安保に対する懸念を主な要因として挙げている。
オーストラリアのスコット・モリソン財務相は11日(現地時間)、「シドニーとニューサウスウェールズ州の電力供給会社オースグリッド(Ausgrid)が50.4%の株を中国企業に売却する計画に反対する」と述べたことをロイター通信が伝えた。オースグリッド買収合戦には中国国有企業・国家電網公司が香港最大の企業集団・長江実業グループの李嘉誠会長が所有する長江基建グループと提携して参入した。買収価格は100億オーストラリアドル(約7744億円)に達すると推定される。
モリソン財務相は声明で、「審査過程で国家安保上の問題が確認された」として、中国企業の株式取得を認めない予備決定を下した。同財務相は安保上の問題が何であるかは具体的に明らかにしなかったが、「両社が18日までに懸念を解消できるような新提案をすることは可能だ」と述べた。
先月28日にはテリーザ・メイ首相が率いる英国新政府が、中国のコンソーシアムが参加する同国のヒンクリー・ポイント原子力発電所建設事業契約を前日、突然延期した。180億ポンド(約2兆3567億円)規模の同事業は、フランス国営企業のフランス電力(EDF)と中国広核集団のコンソーシアムが受注していた。メイ首相のニック・ティモシー秘書室長はブログに「中国コンソーシアムに軍需関連企業が介入したことが明らかになり、直前に契約を延期した」と書いて説明した。
このプロジェクトは、前政権のキャメロン政権が中国資本を引き入れた事業だった。中国の習近平国家主席が英国を昨年訪問した際、中国広核集団は同プロジェクトに60億ポンド(約7856億円・株式33.5%)を投資すると発表した。習近平国家主席と英国のキャメロン首相=当時=は同事業を両国間の「黄金時代」を開くプロジェクトと定義付けた。
中国の劉暁明・駐英大使は先日、英紙フィナンシャル・タイムズへの寄稿文に「中国と英国の関係は重大な歴史的岐路にある。英国が中国に門戸を開き続けることを望んでいる」と書き、英国政府に圧力を加えた。