電気料金累進税の改編をめぐり一切動こうとしなかった産業通商資源部(省に相当。以下同じ)が11日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の一言により、わずか四半日で態度を変えた。この件に対し、韓国政界から「政府の部処(省庁に相当)が政策をひっくり返す行為はますますひどくなっている」という声が上がっている。「絶対変えられない」と言っていた政策を、大統領の一言で変えるケースがひんぱんに起きているからだ。
韓国政府は最近、在韓米軍に高高度防衛ミサイル(THAAD)を配備する問題でも同様の態度を見せた。THAADの配備先が慶尚北道星州の星山に決まった後、国防部は「軍事的効用や作戦の可能性、費用、工事期間、こうしたことを基準に判断した。(星山は)いくつかの基準に基づき、最適の場所と判断したものであって、変更はない」とコメントした。ところが今月4日、朴大統領が大邱・慶尚北道地域の議員との会談で「新たな地域があれば細かく調査して、結果を国民にお知らせする」と言うと、すぐに立場を変えた。
朴大統領が今年7月に大統領府(青瓦台)の首席秘書官会議で言及した、大邱空港の統合移転計画も同じようなものだった。朴大統領が「大邱空港の移転を速やかに進めてほしい」と注文すると、2014年5月に初めて建議書が受理されて以来、全く動いてこなかった国防部が、すぐさま移転に向けた委託作業の発注を発表した。
最近になって公正取引委員会が立法予告した「大企業集団」基準の上方修正(資産総額5兆ウォン〈現在のレートで約4616億円、以下同じ〉→10兆ウォン〈9233億円〉)も同様だ。韓国政府は、過去2年余りにわたり、大企業・中小企業の利害関係などを理由に「基準の上方修正は難しい」と言ってきた。しかし朴大統領が今年4月、「大企業指定制度は必ず時代に合わせて変えるべきという、そういう考えを持っている」と言うと、公取委が先頭に立って基準を変えた。
14年のいわゆる「年末調整騒動」のときも、韓国政府は同じパターンで動いた。企画財政部は「年末調整の改編はない」と言っていたが、朴大統領の「国民に苦難を及ぼさないよう方法を探るべき」という発言を受け、その日のうちに立場をがらりと変え、年末調整の改編案を発表した。年間所得5500万ウォン(約508万円)以下を対象に税負担を減らすとしたこの改編案で、免税者の割合は増え、その分税収は減った。経済界からは「正確な原因の診断なしに、大統領の発言に合わせて部処独自の分析結果をひっくり返した、典型的なケース」という声が上がった。