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71回目、鎮魂の夜…たいまつ行列で悼む

たいまつと共に浦上天主堂を出る被爆マリア像=長崎市で2016年8月9日午後8時6分、津村豊和撮影
浦上川で行われた原爆犠牲者を慰霊する「万灯流し」=長崎市で2016年8月9日、矢頭智剛撮影

 71回目の「長崎原爆の日」を迎えた9日、長崎では各地で追悼行事が行われた。長崎市の平和公園で開かれた平和祈念式典には被爆者や遺族ら約6400人が参列し、原爆投下時刻の午前11時2分に黙とうをささげた。夜には原爆犠牲者を悼む「たいまつ行列」(カトリック長崎大司教区平和祈願祭実行委員会主催)があり、同市の浦上天主堂周辺を信者ら約700人が歩いた。

     爆心地の東約500メートルにある浦上天主堂は原爆で倒壊し、1959年に再建された。たいまつ行列は午後8時に浦上天主堂から平和公園に向かって出発。旧天主堂のがれきの中で首から上だけの姿で見つかった「被爆マリア像」を聖座に載せ、たいまつやペンライトを手にした信者らが光の行列をつくった。

     平和公園での平和祈念式典には、米露などの核保有国を含む53カ国の代表も参列した。田上富久市長は平和宣言で、5月に広島を訪問したオバマ米大統領を「その行動によって、自分の目と、耳と、心で感じることの大切さを世界に示した」と評価し、核保有国をはじめとする世界の首脳や市民にも、被爆地を訪れるよう促した。

     一方で田上市長は、核保有国と非核保有国の対立などで核廃絶の道筋が一向に示されない現状に憂慮を表明。「今こそ、人類の未来を壊さないために、持てる限りの『英知』を結集してください」と各国や市民社会に呼びかけた。

     また、安倍晋三首相はあいさつで、被爆者への援護施策の充実や原爆症認定の迅速な審査などを約束。式典終了後の被爆者5団体代表との面会では、国が指定した被爆地域の外にいたため被爆者健康手帳が取得できない「被爆体験者」の医療費助成の対象に、脳出血や脳梗塞(こうそく)などの脳血管障害を追加する方針を明らかにした。

     この1年間で死亡が確認された原爆死没者3487人の名簿が奉安され、死没者の総数は17万2230人となった。【加藤小夜、小畑英介】

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