脳血管障害治療も助成対象に
政府は9日、国が指定した被爆地域の外にいたため被爆者健康手帳が取得できない「被爆体験者」の医療費助成の対象に、脳出血や脳梗塞(こうそく)などの脳血管障害を追加する考えを示した。平和祈念式典終了後に長崎市で被爆者5団体代表と面会した安倍晋三首相が明らかにした。
被爆体験者には、被爆体験による心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患と、それに伴う合併症の医療費が支給されている。合併症には狭心症や心筋梗塞(こうそく)などがあり、今年4月には認知症を追加。さらに今月1日、自民党の議員連盟が脳血管障害についても対象に加えるよう政府に申し入れていた。
被爆者団体が要望した、被爆者健康手帳が取得できる被爆地域の拡大については、塩崎恭久厚生労働相が「困難」と回答した。【大平明日香】