率直に、私はあっという間に飽きてしまった。東京の下町に住んでいるが、見渡すかぎり、ポケスポットはあまりなく、ゲームもポケモンと出会ったらボールを投げるだけ。たまに、動作が不安定だったり、現在地がずれたりもする。バッテリーの関係もあるので、スマホを起動させ続けるわけにもいかない。なんせ、『ポケモン』のことを知らない。どれがレア物のポケモンなのかも分からない。我々中年にとっては、ピカチュウよりも生中なのである。
実際、いくつかの報道ではもう海外でも日本でも飽き始めているユーザーがいることが指摘されている(もっとも、米国でも日本でもTwitter並みのアクティブユーザー数だという報道もあるが)。私もとっくに飽きてしまった。移動中に、「ちょっと起動してみようか」というくらいで、最近ではやっていたことすら忘れてしまった。飽きさせない仕掛け、畳み掛けるようなイベント設定などが弱かったと言えないか。リアルとネットの融合と言われていたが、ハリボテ感にもがっかりしてしまった。ARとVRは違うのだ。
あっという間に世界を熱狂させ、株式市場にも期待感が広がったこと、街や電車でもプレイする人をよく見かけることなど、メディアでいつも取り上げられていることなどを見ると、社会現象であることは間違いないのだが。何がスゴイかというと、クソゲーなのに世界を制してしまったことではないか。
私は「ポケモンGO2」的なものこそ、本命だと見ている。強力なキャラパワーやスマホのテクノロジーを活かし、ネットとリアルを融合させた、グローバルにウケるコンテンツが今後、登場することだろう。
というわけで、ポケモンGOは世界を制覇したクソゲーとして語り継がれるだろう。そして伝説へ、というわけだ。「バンゲリング・ベイ」も「いっき」も「たけしの挑戦状」もやりようによっては世界を制したのではないかと思えてきた、という四十男にしか分からないネタで本稿を締めくくることにしよう。