THAAD:中国の過激な韓国批判に中国人学者が異議「得にならない」

 韓国の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に対する中国の反応が過激化しているとして、中国の学識者が「このままでは中国にとって得にはならない」と主張した。

 北京師範大政府管理学院の馬勇教授は11日、シンガポール華字紙、聯合早報に「中国外交の『過激反応』」と題する寄稿を行い、「フィリピンが一方的に問題を起こした南中国海(南シナ海)問題とは異なり、THAAD問題は韓国にとってはどうしようもない部分がある」とした上で、「韓半島(朝鮮半島)情勢が厳しくなどにもかかわらず、韓国が最終的に配備を選択したのは安全保障面で韓国が感じている焦りがそれだけ強いことを示している」と分析した。

 馬教授はまた、「中国がTHAADに反対することは当然だが、だからといって過激になってはいけない。韓流スターに対する制裁が始まり、貿易・観光分野が影響を受けるなど過激化の様相が既に表れている」と懸念を示した。

 馬教授は「韓中国交正常化から20年余りがたち、最近の両国関係はかなり高いレベルに達しており、韓国は何度も米国の反対を押し切り、中国の立場を支持したことがある。THAAD問題で韓中が互いを嫌悪し、対立するようなことになれば、中国にとっては得る物よりも失う物の方が多い」と訴えた。馬教授は「過激な反応が中国外交の新たなイメージとなってはならず、軽重をわきまえ、沈着に外交紛争に対処すべきだ」と主張した。

 馬教授はTHAADが韓米相互の安保戦略レベルで米国が主導していることも強調した。馬教授は「中国が米国をどうすることもできず、『韓国たたき』を続ければ、韓中関係が損ねられるだけでなく、韓米日同盟を強める状況を生みかねない」とも指摘した。馬教授は法学博士で、中国の国際戦略と周辺国・ユーラシア関係の専門家だ。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員
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