「好きな人ができました」――。そこにあるのは愛でしょうか、それとも欲望でしょうか?
超売れっ子AV男優・森林原人さん初の著作『セックス幸福論』が刊行された。職業柄、これまでに8000人と10000回以上セックスをしてきた彼は、その“行為”にいったい何を見出したのか。
現代ビジネスの人気連載「女社長とAV監督のスナック人生相談」を書籍化した『モテと非モテの境界線』(川崎貴子・共著)の著者で現役AV監督の二村ヒトシさんとともに、セックスの「価値」と「かけがえのなさ」について語り合う。(構成/布川剛、撮影/村田克己)
ぼくがNGにされた理由
二村: ぼくが森林君の『セックス幸福論』で強く印象に残ったのは、「自分をブ男だと思っていた」というくだりです。あなたは今、AV男優の中でもズバ抜けてオシャレな人で、その人柄でも多くのAV女優さんたちから愛されている。でも出発点には「自分は非モテだ」という自意識があった。
それは僕も同じです。自分は醜い、イケメンではないと、幼少期から十代にかけてはコンプレックスがありました。でも、8000人とセックスをしたら、男として自分は“通用”していると思えるようになりませんか?
森林: そういうことは、今なら多少はあります。周りのスタッフが持ち上げてくれるからっていうのも大きいですが。でも、男優としてキャリアが浅いうちは、やっぱり見た目の評価が大きいんです。ビジュアルがいい男優にはたくさん仕事が来るし、ビジュアル的にダメな男優にはあまり仕事は来ない。
二村: 僕は森林君とはデビューの頃からお付き合いがありましたが、あなたのキャラクターは当時からわりと必要とされていましたよ。イケメンではない、むしろイモくさいのだけど、心優しくてチンコは凄い――という男優の需要が、当時からあった。
森林: それはそうなんですけど、でも、僕は当時、「イケメン枠」に行きたかったんです。女優さんの恋人役をやりたかった。
ある作品で「女優さんと同年代だから」という理由で、恋人役をやらせてもらったことがあります。でもそのときに、そのAVメーカーの社長が怒ったんです。「森林みたいなジャガイモが彼氏なんて、おかしいだろ!」「あいつはNGにしろ!」と。
そのメーカーの作品には、その後しばらく出られなくなりました。あれはやっぱり傷つきましたね。で、結局、モテないストーカー役ですよ。
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