高木和男
2016年8月13日05時04分
専修大学名誉教授の正村公宏さん(84)は、経済と社会に関する鋭い論考で知られた。「場当たり的な社会保障、社会福祉政策が繰り返されてきた」「医療、年金、介護の制度を維持する展望を示すべきだ」。時代の変化に国が対応できず、家族だけでは介護を支えきれなくなる中で、安心感や連帯感のある社会のための方策を訴え続けた。
『戦後史』『日本の危機』などの書籍を著す一方で、多くの人が手に取ったのが『ダウン症の子をもって』(1983年)。妻孝子さん(95)と息子の隆明さん(53)を育てた日々を克明につづり、ロングセラーとなった。
重度の知的障害で、意思疎通が難しい隆明さん。幼い時は多動的だった。家の中をかき回して歩き、孝子さんは落ち着く暇がなかった。
隆明さんが病気になると、孝子…
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