部下の指導で上司がおさておきたい10のポイント
2016/08/12
部下を教育指導しているが、効果がみられない。部下をどのように教育指導すればよいのかわからない。
そのことで頭を悩ませている上司の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、部下の指導で上司がおさえておきたい10のポイントについて紹介します。
目 次
1.部下の性格に合わせてフォローする |
1.部下の性格に合わせてフォローする
部下には、それぞれ短所があります。
必死になる部下は競争心が強すぎ、楽をしようとする部下は責任を転嫁しやすい。短期で怒りっぽい部下はモラルが低く、真面目な部下は融通がきかず、周囲に気を使いすぎる部下は猜疑心が強くなる。
部下を教育する際はその性格に応じ、適材適所に置いて、バランス感覚を身に着けさせることが大切です。
例えば、
1.必死になる部下は、肩の力を抜いて仕事ができるようにする。
2.楽をしようとする部下は、仕事の初めの部分をしっかり監督する。
3.短期で怒りっぽい部下は、ケアレスミスのチェックと指摘をする。
4.真面目な部下は、ポイントを押さえてほめる。
5.周囲に気を使いすぎる部下は、競争意識を植えつける。
というように、部下の長所と短所を理解してフォローする一方、バランス感覚を身につけさせましょう。
2.部下が混乱してしまう状況をつくった責任は、上司にある
こんなことがあった場合、失敗は上司に責任があります。
1.部下に許容量を超えた仕事を与えた場合。
2.上下関係が徹底されていない組織で、混乱が生じた場合。
3.ワンマン上司が部下の意見を無視している場合。
4.上層部の意見が不一致の場合。
5.優柔不断な上司による部下への指示で混乱が生じた場合。
6.レベルが高すぎる仕事を部下に与えた場合。
上司はこれらのパターンを把握し、部下が混乱して失敗が起きないように努めなければいけません。
3.仕事を与えるときは、命令のみを伝える
部下には100パーセントの力を発揮して働いてもらいたいものです。それを実現させる秘訣のひとつは、部下に仕事を任せるとき、命令のみを伝えることです。企画の内容から仕事の進め方までを事細かく伝えてはいけません。
上司は、秘密を保持して仕事の主導権を握る一方、部下には危機感を持たせて働かせる必要があります。
上司はあくまで失敗の火消しに回り、部下が全力を発揮できる状況をつくりあげるべきなのです。
4.危機感を持たせてやる気をあげる
部下に本気で仕事をさせるには、危機感を持たせればよいのです。なぜなら、危険な状況に追い込まれたら、誰でも全力を出すからです。
仕事の場合は命令のみを伝え、やり方を教えないでおきます。すると部下は責任の一端を負う危機感を持ち、必死で考えるから、仕事のモチベーションも高まります。
部下が仕事に行きづまり、上司を頼ってきたときにはじめてフォローをすればよいのです。
5.一度仕事を任せたら、不安になっても口出しはしない
「君に任せたよ」と言いながら、結局はいろいろ口出しをする上司もいます。これでは「自分のことを信用していないのだ」と部下は思い、一気にやる気をなくしてしまいます。
部下に仕事を任せたら、上司は不安になっても口を出してはいけません。
上司は一度仕事を部下に任せたら、少々心配でも思い切りやらせましょう。そうすると、部下もやる気を出し、知恵を絞り、努力をするようになります。
成果の積み重ねが部下の自信になるのです。細かい指示を出すより、部下のやる気を引き出すことのほうが上司の仕事なのです。
ただし、部下に経験を積ませて任せる仕事の場合、上司は失敗してもよい仕事かどうかの見極めをする必要があります。
6.退路を断って、危機感のある中で仕事をさせる
部下に最大限の力を発揮させるためには、危機感を持たせることが必要です。そのためには責任を負わせると同時に、言い訳ができないようにノルマを設定するなどして退路を断つのも効果的です。
ときには逃げ道を断ち、仕事をさせることが必要です。部下の資質や性格を把握した上で、仕事を全部任せる。失敗しても簡単には手助けせず、見守りましょう。
部下は必死に仕事をして、失敗しても立ち上がる術を学んでいきます。
7.叱るときは逃げ道を残しておく
叱り方ひとつで部下はふてくされもするし、成長もします。叱り方はまさに上司の腕の見せ所です。
仕事をさせるときは退路を断ち、危機的状況をつくることを説明しましたが、叱るときは退路をつくっておく必要があります。
失敗した部下を叱るとき、追いつめてしまうと反発をしたり、ふてくされたりします。これでは指導になりません。
失敗をしたら間髪をいれずに、低く穏やかな声でポイントを絞って短く叱るのです。また、目で叱るのも効果的です。
決して人前で叱らず、相手の言い分は聞くようにし、逃げ道は残しておきましょう。
8.日頃からしっかり教育し、コミュニケーションをとる
「部下がちっとも言うとおりに動いてくれない」と嘆く上司も多いのではないでしょうか? そういう場合、お互いの信頼関係が欠けていることが多いのです。
信頼関係がないと、叱っても聞き入れてもらえず、上司の期待に沿う仕事をしてはくれません。
まず、言うことを聞かない部下には心を開かせる必要があります。そのためには、部下が相談をしてきたら必ず相談にのる。そして、部下を呼ぶときは名前で呼ぶ。これらのことを心がけましょう。
日頃から部下とコミュニケーションをとり、信頼を得ておくと仕事をスムーズに進めることができます。
ときには叱る一方で、飲みに行ったり、自分の失敗談を打ち明けたりして、うちとけておくとよいでしょう。
9.熱心にいたわり、自分についてくるように育てる
ときとして部下が相談をもちかけてくるときがあります。そんなときに自分の都合を優先させて「忙しい」と相談を一蹴することはないでしょうか?
こうなると、部下はあなたを信用しなくなります。できるだけ部下の相談に応じるのも上司の仕事なのです。
熱心に面倒を見ることで上司と部下という人間関係もつくられていくのです。また、相談相手を紹介したり、一緒に悩むだけでもよいのです。
親身に相談にのることで、部下はあなたを信頼するのです。部下が自分についてくるように育てられるかどうかは上司の力量が問われているところです。
10.立派な功績を挙げた部下は、すぐにほめる
部下が立派な功績を挙げたとき、上司のほめ方ひとつで部下は飛躍するか否かが決まります。
部下が功績を挙げた場合、適切で公平に評価し、すぐにほめることが重要です。また、できれば思いがけないほうびを与えれば印象に残ります。
以上である。
どうだろうか。
指導方法ひとつで、部下が大きく成長もし、仕事に対するモチベーションにも影響を与えます。
つまり部下の教育指導は、会社の将来に関わってくることになるのです。
この記事を参考に、上司であるあなたが部下を一人前に育てられるように頑張って下さい。
関連記事:上司がやってはいけない部下への叱り方と、うまい叱り方
関連記事:使えない部下のダメな言い訳5つとその対策方法について
まとめ
1.部下の性格に応じて、適材適所にフォローする
2.「部下に許容量を超えさせた仕事を与えた場合」「上下関係が徹底されていない組織で、混乱が生じた場合」「ワンマン上司が部下の意見を無視している場合」「上層部の意見が不一致の場合」「優柔不断な上司による部下への指示で混乱が生じた場合」「レベルが高すぎる仕事を部下に与えた場合」などで生じた失敗は、上司に責任がある。
3.部下に100パーセントの力を発揮してもらいたい場合は、命令のみを伝える。
4.部下に本気で仕事をさせたい場合には、危機感を持たせる。
5.部下に仕事を任せたら、上司は口を出してはいけない。
6.部下に最大限の力を発揮させるためには、逃げ道の退路を断つ。
7.部下を叱るときには、逃げ道となる退路をつくっておくこと。
8.部下との信頼関係を築くために、日頃からコミュニケーションをとること。
9.部下が自分についてくるようにするためには、部下の相談にのるなどして信頼をつくっておくこと。
10.部下が功績を挙げたなら、すぐにほめる。