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【スポーツ】

[高校野球]女子マネがユニ姿で聖地に立った 大分高・首藤さん…でも15分で退場

2016年8月3日 紙面から

ユニホームに身を包み、ボールを持つ大分の首藤桃奈マネジャー=甲子園球場で(撮影・高部洋祐)

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 第98回全国高校野球選手権大会(7日から15日間)の出場校による甲子園練習が2日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われた。2年ぶり出場の大分は、女子マネジャーの首藤桃奈さん(3年)がユニホームを着用して練習に参加。大会規定では、グラウンドに立つのは「男子のみ」となっている。男女の明記のない甲子園練習もそれに準じる形のため、途中で関係者に止められたが、大会本部によると女子マネジャーがグラウンドに立って練習補助を行うのは初めてだとか。組み合わせ抽選会は4日に行われる。

◆「同じ気持ちに」

 灼熱(しゃくねつ)の甲子園のグラウンドに、マネジャーの爽やかな笑顔が輝いた。大分の首藤さんは真新しいユニホームに身を包み、ノッカーにボールを手渡した。「着てみると、選手と同じ気持ちになってドキドキした」。いつも行う仕事だったが、「甲子園ということで緊張して手が震えた」と明かした。

 これまで野球部を支えてきた首藤さんは1日夜、広瀬茂部長からユニホームを渡されて練習参加を頼まれた。ところが、練習開始から約15分で関係者に制止されてベンチに下がった。

◆笑顔で受け入れ

 大会規定には危険防止のため、試合でグラウンドに立てるのは男子に限ると記されており、甲子園練習も試合に準じる形となる。広瀬部長は「彼女がこれまで一生懸命やってくれたので…。私の把握不足。本当に申し訳ない」と頭を下げたが、首藤さんは笑顔で受け入れ、その後はベンチに戻ってくる選手を激励した。大会本部によると、女子マネジャーによる練習補助の参加は過去に例がないという。

 首藤さんは2歳でクラシックバレエを始め、中高一貫の大分でも中学時代はバレエに励んだ。2学年上の兄、有恒さんが高校球児だったこともあり、中学の卒業式では答辞で「高校では野球部のマネジャーになって甲子園に連れていく」と宣言。1年夏に大分は初出場を果たし、今年も2年ぶりの出場を決めた。

 アルプス席で応援した前回は初戦敗退。「部員は家族みたいな存在。3年生だし、今回は特別な気持ち」。記録員としてベンチ入りするかは未定だが、悲願の甲子園1勝に向けて全力で選手をサポートする。 (伊藤瀬里加)

◆男子5人まで

 <高野連規定> 代表校に配布される「代表校・応援団の手引」には、試合の注意事項として「守備練習には練習補助員(男子部員に限る)が5人まで参加できます」と明記されており、甲子園練習中もこれに準ずる。なお記録員は当該校の生徒であれば男女は問わない。

 

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