韓国造船業界の手持ち工事量が17年ぶりに日本に逆転される危機に陥っていることが10日、造船・海運市況を分析する英クラークソンの集計で分かった。
7月末時点の韓国メーカーの手持ち工事量は2387万CGT(標準貨物船換算トン数)で、日本(2213万CGT)より174万CGT多かった。両国の差は2003年3月(158万CGT)以降で最も小さい。手持ち工事量はすでに確保した仕事量を表すもので、受注量、引き渡し量と並び造船業の競争力を示す指標となっている。
両国の手持ち工事量の差は、今年1月初めには551万CGTだったが、3月初めは449万CGT、5月初めは393万CGT、8月初めは174万CGTと急速に縮まっている。造船業界では、このままいけば年内にも手持ち工事量で韓国が日本に抜かれるとの懸念が広がっている。
差が縮まっているのは、両国の船舶新規受注量が違うためだ。年初から7月末にかけての韓国メーカーの新規受注は86万675CGTにとどまった一方、日本メーカーは同期間に98万5912CGTを受注した。引き渡し量は日本に比べ月平均で2倍ほど多い。造船業界の関係者は「日本と中国のメーカーは自国の船会社からの受注で仕事を確保しているのに対し、韓国は『受注の絶壁』に苦しんでいる」と苦境を伝えた。
韓国は2000年1月に手持ち工事量で日本を上回り、初めて世界1位となった。だが、中国造船業の急成長で08年8月には中国に次ぐ2位に後退した。