中国 内需に力強さ欠く状況が続く

中国 内需に力強さ欠く状況が続く
中国の先月の工業生産は、前の年の同じ月より6%の増加となり、伸び率が前の月から縮小したほか、小売業の売上高も、伸び率が前の月から縮小し、中国経済は内需に力強さを欠く状況が続いています。
中国の国家統計局によりますと、中国の先月の工業生産は、前の年の同じ月と比べて6%の増加となり、伸び率が前の月から0.2ポイント縮小しました。
これは、企業の設備投資が低迷する中、工作機械の生産が伸び悩んだほか、各地で起きた大雨の被害で企業の生産活動や物流に影響が出たことなどによるものです。
一方、先月の小売業の売上高は、前の年の同じ月と比べて10.2%の増加で、店頭での家電製品や携帯電話の販売が振るわなかったことなどから、伸び率は前の月から0.4ポイント縮小し、中国経済は内需に力強さを欠く状況が続いていることを裏付けた形です。
これについて、国家統計局の盛来運報道官は、鉄鋼や石炭の過剰な生産能力の削減といった構造改革を進めているとしたうえで、「中国経済は調整の重要な段階にあり、これに伴う痛みが表面化していて、景気を減速させる圧力は小さくない」と述べました。
中国政府としては、インフラ建設の拡大のほか、自動車や住宅の販売刺激策を打ち出すなど、内需の下支えを図っていて、改革を続けながら安定した成長を維持できるかが焦点です。