大手の上場企業に勤めている。上位10%に入るタイプの人間だと思う。
だからといって、世間と隔絶した生活をしているわけじゃなく、コンビニで電池を買うし、チェーンの喫茶店にも行くし、そこら辺のカラオケに行ったりもする。
すると、底辺・底辺・底辺。そこで働いている人がみんな底辺で、気疲れしてしまう。給料が低いだろうし、ストレスも多くて、その水準から這い上がることもないんだろうな、と思う。良い会社は東京にあるが、東京で生活することは、あらゆるサービスを底辺に支えてもらうことだ。そのアンビバレンツに身が裂かれそうになる。
居酒屋もコンビニもファミレスも美容師もアパレル店員もみんな底辺。
夜中にファストフードで働いている人も底辺だし、底辺と接する機会が多すぎる。
飲み会で知り合う女の子も底辺だし、こちらのステータスに食いついてくる姿もなんだか嫌になる。
仕事以外で、誰かと話すのが非常に気を使う。職業のことになると、特にヒヤヒヤする。
こちらが大手で働いていると言ったあとに、「あなたは?」と聞いて「派遣の事務です」なんて言われると「(あぁ……もうこの人とは話しづらい)」となってしまう。
発言が相手のコンプレックスを刺激しないかどうか、とても気になってしまう。
タクシーに乗っていて……世間話ができない。だってタクシー運転手さんは仕方なしにその職に流れ着いた底辺だから。
階級社会になっても、社会を直視しようとしないきみには分不相応なようだけど?
そんなこと言われてもなぁ。