THAAD:準備不足露呈、原則論に終始した「共に民主党」訪中団

 米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備に反対する中国との意見交換を目的に訪中した韓国最大野党「共に民主党」の初当選国会議員6人は9日、北京のシンクタンク「盤古智庫」を訪れ、中国の専門家と討論会を行った。

 同シンクタンクは2014年に設立され、マクロ経済や金融、企業革新などを研究している。だが、この日の討論に出席したのは王棟・北京大学国際関係学院副教授、高祖貴・中央党校国際戦略研究所副所長、王俊生・中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院副研究員、核専門家の李彬・清華大学教授、姚雲竹・中国軍事科学院主任ら、外交、安全保障、軍事分野の専門家だった。

 金暎豪(キム・ヨンホ)議員を幹事とする6人は、午前9時半から約2時間半にわたり、THAAD配備問題をテーマに熱論を繰り広げたと伝えた。だが、討論終了後に出された共同発表文は「双方は現在の韓中の問題について率直かつ踏み込んだ対話を交わし、相手側の意見を聞いた。韓中関係の発展に向け、いかなる努力をすべきかについて意見を交わした」という短いものにとどまった。

 これについて金議員らは「中国側はTHAAD配備反対の立場を盛り込むよう求めたが、私たちは(THAADには反対するものの)配備反対の問題は外したいと応じ、調整に時間がかかり、発表文もごく短いものになった」と説明している。

 訪中した6人はTHAADをテーマに中国の専門家と討論する準備が果たしてできていたのかと、いぶかしくなる場面もあった。討論後に特派員と会った申東根(シン・ドングン)議員は「THAADをめぐる韓中のあつれきがこれ以上深まらないようにする方策は話し合ったのか」との質問に「THAADのミサイルは配備するとしても、レーダーは中国を探知できないようにしよう」という李彬教授の言葉を紹介した。ある特派員はこれに対し「(李彬教授の主張は)韓国政府がすでに十分に説明した論理では」と問い返した。韓米は北朝鮮だけが監視対象だとして、レーダーの探知範囲が中国にほぼかからないようにして運用する方針を示している。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員
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