リオ五輪:柔道世界ランキング1位韓国人選手3人、金ならず

リオ五輪:柔道世界ランキング1位韓国人選手3人、金ならず

 柔道の「世界ランキング1位」は「蜃気楼(しんきろう)」のようなものなのか。今回のリオデジャネイロ・オリンピック柔道には韓国からキム・ウォンジン、アン・バウル、安昌林(アン・チャンリム)の3人の世界ランキング1位選手がすでに出場したが、9日の時点でいずれも金メダルを獲得できなかった。韓国代表にとってはまさに非常事態だ。柔道競技全体で見ても、9日までに終了した男女6階級で世界ランキング1位の選手が優勝したのは女子52キロ級のマイリンダ・ケルメンディ選手(コソボ)だけだ。このように世界ランキング1位の選手が次々と屈辱を味わう理由はなにか。

 柔道の世界ランキングは国際柔道連盟(IJF)主催の国際大会におけるランキングポイントを合計した数字からはじき出される。つまり大きな大会に出場し好成績を収めるほど、多くのポイントを積み上げることができるわけだ。そのため世界ランキング上位というのは、それだけ国際大会に多く出場して上位に入った実績があることを意味する。またランキングが高ければ、オリンピック本戦での組み合わせでも有利になる。

 しかし柔道の専門家は「世界ランキングが上がるほどプレッシャーも大きくなる」と指摘する。ランキング上位になると、まず何よりも他の選手から厳しくマークされる。また多くの試合に出場すれば、それだけその選手の技術や弱点も把握される。そのため世界ランキング上位の選手が下位の選手に苦しめられるケースは実は全く珍しくない。ある柔道関係者は「ランキング上位の選手はサングラスを掛けながら裸で試合をするようなものだ」とした上で「1位の選手が10位の選手のビデオを1回か2回見るとすれば、10位の選手は1位の選手のビデオを10-20回は見て集中的に研究するからだ」と語る。女子48キロ級で世界ランキング8位のチョン・ボギョンが、準々決勝で世界ランキング1位の選手を破り銀メダルを獲得したのも同じ理由だ。

 さらにランキング上位の選手は「勝って当然」と思われるため心理的にもプレッシャーがきついが、下位の選手はそのようなプレッシャーがないチャレンジャーの立場で競技に臨める。専門家はキム・ウォンジンと安昌林が実力を発揮できなかった理由については、このような心理的要因が大きかったと指摘する。1992年のバルセロナ大会で銀メダルを獲得した竜仁大学の尹鉉(ユン・ヒョン)教授は「柔道は相手のあるスポーツであるため、ランキングが上がるとそれだけ失うものも増える」「選手によっては自らのランキングを戦略的に管理することも必要だ」と述べた。

崔鍾錫(チェ・ジョンソク)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • リオ五輪:柔道世界ランキング1位韓国人選手3人、金ならず

right

関連ニュース