格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)は8日、韓国の政府債務に対する信用格付けを「ダブルAマイナス」から過去最高の「ダブルA」へと引き上げた。格付け大手3社のうち、ムーディーズとフィッチは既に4年前から韓国にダブルAを付与している。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は9日、「我々がこれまで絶えず経済回復に共に努力してきた結果だ」と評した。企画財政部(省に相当)も「国際金融市場が不安定な中で韓国経済が相対的に安定的だという評価を受けたものだ」と指摘した。
しかし、格付け上昇を経済全般に対する好評価と受け止めるのは拡大解釈だ。信用格付けは債務償還能力を示す指標だ。政府債務からみて、政府が借金を返す能力が改善したという評価にすぎない。格付けが上昇したからといって、経済の先行きも明るいという保障はどこにもない。
S&Pは格付け引き上げに際し、成長率が2-3%を維持している点、対外債務が管理されている点、財政・通貨政策に十分余力がある点を理由に挙げた。2-3%という成長率は財政支出によって引き上げたものであり、対外債務の健全性や財政・通貨政策の余力は現在のような輸出不信と福祉費用急増による財政悪化を放置すれば決して長続きしない。今の韓国経済はますます停滞の泥沼で苦しんでいる。政府が格付け上昇を自慢するほど余裕はない。構造改革や輸出多角化など経済の体質改善がなければ、過去最高の格付けも水の泡にすぎない。