『お盆玉』が急速に拡大 命名者はお年玉用のぽち袋などを製造・販売するマルアイ
2016年08月12日 07時20分 週刊朝日
2016年08月12日 07時20分 週刊朝日
2016年08月11日 16時00分 週刊朝日
急速に広がりを見せる、お年玉ならぬ「お盆玉」。世間では「余計な文化を増やすなっての!!」「これ以上普及しちゃうと困る〜!!」と案の定、親世代を中心に、こんな声が続々と上がっている。戦犯は誰だ。出てこい。プンプンしながら取材したら、仕掛け人はすぐに判明した。
お年玉用のぽち袋、祝儀用品などを製造・販売するマルアイ(山梨県)である。同社が「お盆玉」の命名者で、平仮名の「おぼんだま」とともに商標登録もちゃっかり済ませている。
少子化に伴い、お年玉袋や祝儀袋の需要が減る中、日本の伝統文化に根ざした新たな商品がつくれないかと考えたそうだ。同社の商品企画担当者が言う。
「孫や子が帰省した際に小遣いを渡す文化は、年始だけではありません。お盆時期の帰省は古くから一般的で、そこでおじいちゃんやおばあちゃんがお小遣いを渡す例は決して珍しくない。お盆に渡すお小遣い専用の袋があってもいいのではと考えました」
構想約1年。2010年に関連商品を発売したが、当初の売れ行きは「惨憺(さんたん)たるものだった」という。
「商品化したところ、『お盆にまでお小遣いをあげないといけないの?』という世間の拒絶反応がすごかった。小売店の売り場担当の方からも『ここまでやりますか……』とあまり好意的な反応は得られず、まったく売れませんでした。社内では、3年やってみてダメなら撤退するしかないと話していました」
転機は3年後に訪れた。