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AKIRAの文学を愛する日記

愛読書の書評や在宅ワーク・趣味などを紹介しています

横山秀夫「クライマーズ・ハイ」の書評

時代 時代-現代小説

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クライマーズ・ハイは、新聞記者が日航機墜落事故に奮闘する物語で、大勢の男達が繰り広げる熱いドラマの小説です。

日航機の墜落が全ての始まり!

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1985年(昭和60年)8月12日、つまり31年前の今日この日に羽田空港から伊丹空港に向かった日航機(日本航空123便)が、群馬県にある御巣鷹山に墜落しました。乗員乗客が524名もいましたが、生存者がわずか4名。つまり520名も亡くなる痛ましい大事故が起きたのです!

クライマーズ・ハイの主人公の新聞記者である「悠木和雅」が日航機事故の取材などの全権を任されます。悠木は、日航機をスクープしようとしますが、その前に立ちはだかるのが日航機のスクープを快く思わない先輩記者達だったのです。

群馬の三大事件が新聞社の軋轢を呼ぶ!

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群馬県は3つの大事件が起きた歴史があり「大久保事件・連合赤軍・日航機墜落」がありました。大久保事件は若い女性を8人も殺害して、その多くを群馬県の山中に埋めた事件であり、この「大久保」というのは犯罪者の名前から取られたものです。次に連合赤軍は平成生まれの方はピンと来ないかもしれませんが、毛沢東主義を掲げて数多くの犯罪行為を行ったテロ組織と言われています。

この大久保事件や連合赤軍をスクープして、その手柄を部下に自慢をしていた先輩記者が、後輩記者達が日航機のスクープで手柄をたてようとするのを邪魔しようとするのです。

山が人を変える?

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悠木は、スクープを何度も邪魔されながら、何とかスクープを物にしようと戦っていきます。そして、悠木はスクープ記事にする情報をつかみますが、完全なウラ取りが出来ていないと判断をして断念するのです。

悠木は、仕事だけでなく家庭でも不器用な男でした。しかし、同じ新聞社の社員である「安西」に登山を進められてから少しずつ変わっていきます。悠木は、仕事で山に墜落した事故を追いかけて、プライベートでは登山を楽しむ人生を送る事になるのです。アウトドアの山と、インドアの小説は相反するようですが、アウトドアで山へ出かける事が好きな方でもクライマーズ・ハイは楽しんで読める内容になっています。

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