韓半島(朝鮮半島)への終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題を話し合うために訪中した韓国野党「共に民主党」の初当選議員6人は10日、仁川空港へと帰国した。与党が批判を続けたほか、民主党内部からも否定的な反応が見られた。
与党セヌリ党の初当選議員は同日、「歴史に道が残る事大主義的態度で国民の自尊心を傷つけ、国会議員の品格を低下させたことについて、全国民の前で慎ましく断罪を受ける心情で謝罪すべきだ」とする声明を発表。その上で、「(民主党指導部は)主権に関する事項を外国に行って相談するという(議員団の)事大主義的態度に対し、明確な責任を問うべきだ」と迫った。
これについて、民主党の金鍾仁(キム・ジョンイン)代表は同日、国会で記者団に対し、「旅行から帰った人たちなのだから、特別に謝罪すべきことは…」と言葉を濁し、「帰国して(何を話してきたのか)話を聞いてみないと分からない。特に問題はなさそうだ」と話した。特に意味付けするほどの訪問ではないという意味と受け止められている。
同日午後に帰国した6人は、保守団体のメンバー1,000人余りが空港に集まり、「辞めろ」などというスローガンを叫んだため、空港を離れ、国会に移動してから記者会見した。訪中を主導した金映豪(キム・ヨンホ)議員は「国益を考え、真剣かつ冷静に日程を消化した。我々が謝罪すべき理由はない。政争をやめ民生問題に取り組みたい」と述べた。申東根(シン・ドングン)議員は「今回の訪中は少なくとも困難な状況を外交で解決する上で役立ったと思う」と語った。
中国メディアは中身がない共同声明だけ発表し、そそくさと現場を離れた議員団を皮肉る一方、韓国を批判する道具として議員団を活用した。共産党機関紙、人民日報の姉妹紙、環球時報は「韓国の国会議員が非公開会談後、たった3行だけの声明を残し、急いで現場を立ち去った」とし、「彼らは韓国国内の巨大な圧力のせいで言行に極度に用心した」と報じた。英字紙グローバル・タイムズも1面トップで、「当初公開予定だった討論会は非公開になり、記者会見も急きょ注視された。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領や韓国の政界による批判、反対世論が原因とみられる」と伝えた。別の英字紙チャイナ・デーリーは「論争のさなかに訪中した野党議員が(シンクタンクの)『盤古智庫』で深みのある率直な対話を行ったという共同声明以外に追加的な発言はなかった」とした。