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 米航空大手デルタ航空で発生した大規模なシステム障害による欠航や遅延は、問題発生から3日目となる10日も続いた。日本を含む世界各地で合わせて2千便以上が欠航となり、異例の大きなトラブルで、同社の業績への悪影響も懸念されている。

 デルタによると、障害は米国の東部時間8日午前2時半ごろに発生。同社の本社がある南部ジョージア州アトランタで起きた停電が原因で、搭乗手続きをするシステムなどが正常に動かなくなり、世界のデルタの航空機が一時出発できない状態になった。8~9日に合わせて1700便以上が欠航したほか、システムがほぼ復旧した10日も運航の調整で300便超の運航をとりやめた。

 日本では、初日の8日に成田空港発ニューヨーク行きの便など数便が欠航する影響が出ていた。

 デルタのエドワード・バスティアン最高経営責任者(CEO)は「再発防止に努める」とホームページの動画で利用者に謝罪した。影響を受けた利用者には金券を配布することを決定。さらに今後は問題が起きたシステムの改修にも取り組むとみられ、巨額のコスト負担により業績への影響が指摘されている。(ニューヨーク=畑中徹)