2016年08月10日
マダニの産卵
7月12日に息子が公園で拾ってきた大きなマダニ。
そのまま湿らせたキッチンペーパーを敷いたシャーレの中に入れていました。
このように満腹まで吸血して成熟したダニが、この後行うことを観察したかったのです。
そして10日後・・・。
頭部近くにある丸いもの。
これが卵です。
そして、さらに数日後・・・。
本格的に産卵が始まりました。
マダニの産卵は過去にも観察していますが、このように頭部近くに卵の塊ができます。
どうみても頭から卵を産んでいるように見えます。
どこから産卵しているのか知らなかったので体を調べてみました。
ひっくり返すと、裏にヘソのような穴があります。
図鑑で見たところ、ここは生殖口という場所らしいです。
では、卵はここから出ているのでしょうか?
透明なシャーレで産卵しているダニを裏から見るものの、ここから卵は出ていませんでした。
どう見ても頭の辺りから出ているように見えます。
日々増えていく卵。
実態顕微鏡で観察をしたところ、ついに卵が出てくる場所が分かりました。
それは、口のすぐ近くだったのです!
口の少し上辺りから卵が出てきました。
体の裏にある生殖口は、オスから精子を受け取る場所のようです。
すごい数の卵。
産卵が始まって2週間後。
卵は1000個くらいありそうです。
そして母ダニは、卵を産み終えて力尽きて死にました。
母ダニはこの日のためだけに生きてきました。
自らは死んでしまったものの1000匹もの子孫を残すのです。
最初は10mmあった体長が6mmと半分近くになっていました。