編集委員・中野晃
2016年8月4日03時00分
陶器とガラスの融合という他に類のない作品づくりに、大阪芸術大短大部デザイン美術学科=兵庫県伊丹市=の松井桂三教授(69)が挑んでいる。何度も割れ、試行錯誤を重ねた末にできあがった作品に、被爆2世として「平和はもろく、崩れやすい」という思いを込めた。7月末まで個展を開いていた大阪・北浜のギャラリーで、引き続き数点を展示している。
松井さんは広島で生まれ育った。母親は71年前の8月6日、爆心地から約2・5キロで被爆。爆風に飛ばされ、足などにけがをした。大きな五葉松の木が熱線を遮ってくれて命をとりとめた、と母親に聞いた。被爆死した親類もいる。
高校を卒業するまで広島で暮らし、顔や手にケロイドがある人を街中で目にした。日常のひとこまとして「核の脅威」を感じ、「平和への願い」がおのずと心に染みついた。
松井さんはその後デザインの道…
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