競泳男子の朴泰桓(パク・テファン)=27=は400メートル自由型に続き200メートルでも予選を通過できなかった。朴泰桓は8日、男子200メートル自由形予選6組に出場したものの、1分48秒06のタイムで同組最下位の8位に終わり、参加48選手中29位で予選脱落した。この種目では予選のタイム上位16人が準決勝に進むことになっていた。ちなみに予選1位は中国の孫楊でタイムは1分45秒75。
朴泰桓は200メートル自由形で過去2大会連続銀メダルを獲得してきた。韓国選手として初めて水泳で金メダル(2008年北京)を獲得した400メートル自由形と並ぶ朴泰桓の得意種目だ。
競泳でのオリンピック出場自体が難しかった韓国で奇跡を起こした朴泰桓だが、その後はドーピング問題で2年近い空白を過ごさねばならなかった。朴泰桓は「ゴールにタッチしてから記録を見るのが怖かった」「私の時代とはかなり違ってきた。最近は予選の段階からみんな必死だ」と語る。2012年のロンドン大会予選16位で準決勝に進出したスイス選手のタイムは1分47秒97だったが、このタイムだと今大会では29位だ。それだけ予選の段階からタイムが上がっているのだ。
「これまでの競技人生で最下位になったことはあるか」との質問に朴泰桓は感情的になりしばらく何も言えなかったが、直後に「水の外に出られなかった。ここでは多くの海外の友人たちとも再会したが、彼らがどう思うかと考えるとつらかった」と述べた。朴泰桓は今大会100メートルと1500メートルの出場がまだ残っているが「コーチの意見を聞いてみるが、取りあえず全てに出場するのが今の自分にとってやるべきこと」とした上で「ここが自分の水泳人生の最後ではない」と言い残して会場を去った。