1961年の第1作目『娘と私』から現在放送中の『とと姉ちゃん』まで、これまでに94のシリーズ作品を世に送り出してきたNHKの連続テレビ小説は、同じNHKの大河ドラマと並ぶ日本の国民的ドラマだ。

 それだけに、一度ヒロインを演じた女優への注目度は高く、その女優が脱いだりするたびに大きな話題になった。

 そしてこの夏、主演映画で初脱ぎに挑戦したのが、『風のハルカ』(2005年後半)でヒロインを演じた村川絵梨だ。今回はこの映画を中心に、朝ドラでヒロインを演じた女優たちが、これまでにどんな作品で初ヌードを披露してきたのか、その足跡を追ってみた。

(C)2016「花芯」製作委員会
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初脱ぎの原作は瀬戸内寂聴(晴美)が「子宮作家」と批判された『花芯』

 村川が主人公を演じ大胆ヌードを披露しているのが、瀬戸内寂聴の同名小説を初映画化した『花芯』だ。

 原作は瀬戸内寂聴がまだ新進作家の瀬戸内晴美として、1956年に「新潮同人雑誌賞」を受賞した翌1957年に、「新潮」に発表した作品。だが、「子宮」という言葉が多く出てくることから、当時、批評家からは「子宮作家」との批判を浴び、その後長く文壇的沈黙を余儀なくされた。

 物語の舞台は、戦後すぐの昭和20年代。村川演じる主人公の園子は、親の決めたいいなずけの雨宮(林遣都)と結婚。その雨宮に愛情を感じられないまま、良き妻として夫婦生活を営み、二人の間には息子が誕生する。だが、あるとき訪ねてきた妹(藤本泉)から「幸せな奥さんのふりをしているけど、本当は満足なんかしていないんでしょ。愛していないんでしょう?」と言われ、園子は「私は、結婚なんて事務的な日常の取り決めだと思っているの」と答える。

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