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 北朝鮮が3日に発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した弾道ミサイルを巡って、国連安全保障理事会は、北朝鮮を非難する声明を出すことを断念した。強い非難を求めた日本や米国と、米韓による在韓米軍への迎撃ミサイル配備が北東アジアの緊張感を高めていると反発する中国の溝が埋まらなかった。

 安保理関係者によると、米国が作った報道機関向けの非難声明案に中国が一貫して反対。中国は米韓両国が7月に決めた、在韓米軍の迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」の韓国配備に反発し、交渉では「関係国は朝鮮半島の緊張を高めることは何もするべきではない」と声明案に盛り込むよう要求した。

 ロイター通信によると、中国はさらに「関係国は、北朝鮮の核ミサイル開発の脅威を言い訳にして、北東アジアに新たな弾道ミサイル迎撃システムを配備するべきではない」との文言を入れることを求めた。

 安保理関係者によると、日米は中国の要求を拒絶。声明はメンバー国の合意が原則のため交渉は行き詰まった。安保理はこれまで、北朝鮮の弾道ミサイル発射に非難声明を出してきたが、中国の反発が始まった今年7月以降は止まっている。(金成隆一

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