大企業の設備投資は積極的 投資額は10.9%増

大企業の設備投資は積極的 投資額は10.9%増
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大企業が今年度国内で計画している設備投資の金額は、昨年度の実績を10.9%上回り、世界経済の先行きが不透明さを増すなかでも、企業の投資姿勢は積極的だとする調査結果がまとまりました。
この調査は、日本政策投資銀行がことし6月、資本金10億円以上の大企業、3146社を対象に行い、66%に当たる2077社から回答を得ました。

それによりますと、大企業が今年度国内で計画している設備投資の金額は、昨年度の実績を10.9%上回り、5年連続の増加が見込まれるとしています。業種別に見ますと、製造業が14.5%の増加で、自動車メーカーが環境や安全に関する最新技術を導入するための投資や、化学メーカーや薬品メーカーが新素材や医薬品の研究開発投資を増やす計画です。一方、非製造業は8.8%の増加で、不動産会社が東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、ホテルや商業施設への投資を増やす計画です。

今回の調査結果について、日本政策投資銀行の竹ケ原啓介産業調査部長は「イギリスがEU=ヨーロッパ連合からの離脱を決め、世界経済の先行きが不透明さを増すなかでも、企業の成長分野への投資姿勢は積極的なことがうかがえる。ただ、円高が続いて企業の業績が圧迫されれば、投資計画が下方修正されるおそれもある」と話しています。

設備投資の堅調さ 短観でも

大企業の設備投資への姿勢が堅調なことは、先月発表された日銀の短観=企業短期経済観測調査からもうかがえます。

短観によりますと、大企業が今年度国内で計画している設備投資の金額は、昨年度の実績と比べて、製造業が12.8%、非製造業が2.7%、それぞれ増加する見通しで、大企業全体では6.2%増える見通しとなっています。業種別にみますと、化学が17.6%の増加、電気機械が14.6%の増加となっています。

この短観は、調査時期の関係から、イギリスがEU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めたことや、その後の円高はほとんど反映されていませんが、日銀は「企業の設備投資は、金融緩和の効果もあって増加基調を続ける」という見通しを今も示しています。