南アフリカ統一地方選挙 与党ANC過去最低の得票率に

南アフリカで行われた統一地方選挙は、貧富の格差の拡大や汚職問題に黒人の不満が高まる中、かつて反アパルトへイト闘争を主導し高い支持を誇ってきた、与党ANC=アフリカ民族会議が過去最低の得票率となる見通しです。
南アフリカでは3日、大都市圏と地方の議会や市長などの統一地方選挙が実施されました。
5日夜の時点で開票率は98%で、与党ANCの得票率はおよそ54%と、前回2011年の62%を大きく下回って、民主化が実現した1994年以降、最低となる見通しです。
ANCはとりわけ都市部で苦戦していて、強力な地盤の1つだったネルソン・マンデラ・ベイでは、最大野党の民主同盟がおよそ47%の得票率を獲得してANCを上回りました。
ANCは、マンデラ元大統領が中心となって反アパルトヘイト闘争を主導し、人口の80%を占める黒人から高い支持を集めてきました。
しかし、南アフリカの経済が低迷し、貧富の格差が拡大したことに加え、ズマ大統領の公金流用など政権の汚職問題も批判を浴び、黒人の間でANC離れが進んでいることが浮き彫りとなりました。
南アフリカでは3年後に総選挙が行われることになっていて、ANCは今回の選挙結果を受け、汚職対策や経済の立て直しを迫られることになります。