米大統領 国連で核実験停止決議を提案か

米大統領 国連で核実験停止決議を提案か
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核兵器のない世界の実現を掲げるオバマ大統領が、各国に核実験をやめるよう呼びかける国連安全保障理事会決議の採択を目指す方針を固めたとアメリカの有力紙が伝えました。野党、共和党から強い反発の声が上がるなど今後、議論を呼びそうです。
アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは4日の電子版で、オバマ大統領が来月、各国に核実験をやめるよう呼びかける国連安全保障理事会決議の採択を目指す方針を固め、オバマ政権の高官が今週、議員などにこの方針を説明したと伝えました。
これについてホワイトハウスの当局者はNHKの取材に対し、「国連安全保障理事会のメンバーとともに、核実験の一時停止を支持することなどにより、核の危険を減らす方策の検討を始めたが、核実験を法的に禁止するような決議は提案していない」と話しました。
ことしは核実験を全面的に禁じるCTBT=包括的核実験禁止条約の採択から20年になりますが、アメリカや中国などが批准していないため、発効していません。
核兵器のない世界の実現を掲げるオバマ大統領は、就任当初から批准を目指していますが、議会の主導権を握る野党、共和党の反対で実現しておらず、オバマ大統領としては国連安保理で何らかの措置を取ることで、議会に圧力をかけるとともに、核実験禁止への道筋をつけるねらいがあるとみられます。
これに対し、共和党の有力者はアメリカの核抑止力や安全保障に悪影響を与えるとして強く反発しており、今後、議論を呼びそうです。

岸田大臣「米国と意思疎通を」

岸田外務大臣は記者団に対し、「わが国としては、CTBT=包括的核実験禁止条約の発効を促進する調整国としての役割を果たしてきており、これまでもアメリカとさまざま意思疎通を図ってきた。アメリカが公式に発表していない段階なので、発言は控えなければならないが、引き続きアメリカと意思疎通を図っていきたい」と述べました。