オーストリア首相「トルコのEU加盟交渉中止を」
トルコ政府が先月のクーデター未遂のあと、大規模な取締りなどを続けていることについて、オーストリアのケルン首相は、トルコのEU=ヨーロッパ連合加盟に向けた交渉を中止すべきだという考えを示し、トルコとヨーロッパの溝が一段と深まっています。
オーストリアの新聞「ディー・プレッセ」は、4日付けの紙面でオーストリアのケルン首相のインタビューを掲載しました。
この中でケルン首相は、トルコ政府が先月のクーデター未遂のあと、大規模な取締りやメディアの閉鎖を続けていることに加え、死刑制度の復活を検討する姿勢を見せていることについて、「民主主義に問題があり、EUにふさわしくない国だ」と指摘しました。そのうえで、「トルコのEU加盟交渉は、もはや絵そらごとでしかない」と述べ、トルコのEU加盟に向けた交渉を中止すべきだという考えを示しました。
これに対して、トルコのチェリクEU担当相は、「極右勢力と似た発言で憂慮すべきものだ。トルコを批判することと対立することは異なる」と強く反発し、トルコとヨーロッパの溝が一段と深まっています。
この中でケルン首相は、トルコ政府が先月のクーデター未遂のあと、大規模な取締りやメディアの閉鎖を続けていることに加え、死刑制度の復活を検討する姿勢を見せていることについて、「民主主義に問題があり、EUにふさわしくない国だ」と指摘しました。そのうえで、「トルコのEU加盟交渉は、もはや絵そらごとでしかない」と述べ、トルコのEU加盟に向けた交渉を中止すべきだという考えを示しました。
これに対して、トルコのチェリクEU担当相は、「極右勢力と似た発言で憂慮すべきものだ。トルコを批判することと対立することは異なる」と強く反発し、トルコとヨーロッパの溝が一段と深まっています。
EU委員長 発言をけん制
オーストリアのケルン首相がトルコのEU=ヨーロッパ連合加盟に向けた交渉を中止すべきだと発言したと伝えられたことについて、EUのユンケル委員長は、4日、ドイツの公共放送の取材に対し、「われわれから一方的に交渉を打ち切るのは得策ではない」と述べたうえで、交渉中止は「EU各国の総意ではない」として、ケルン首相の発言をけん制しました。
EUにとっては、急増する難民や移民を抑える対策を巡って経由地のトルコの協力が欠かせず、ユンケル委員長としては、トルコとの関係の悪化を避けるためにも、冷静な姿勢を強調する狙いがあったものとみられます。
ただ、先月のクーデター未遂以降、強権的な姿勢を一層強めるエルドアン政権に対してEU各国の懸念は深まっていて、ユンケル委員長は、「トルコが死刑制度の復活を決めた場合などは、加盟交渉を直ちに中止する」とも述べて、トルコ政府にくぎを刺しました。
EUにとっては、急増する難民や移民を抑える対策を巡って経由地のトルコの協力が欠かせず、ユンケル委員長としては、トルコとの関係の悪化を避けるためにも、冷静な姿勢を強調する狙いがあったものとみられます。
ただ、先月のクーデター未遂以降、強権的な姿勢を一層強めるエルドアン政権に対してEU各国の懸念は深まっていて、ユンケル委員長は、「トルコが死刑制度の復活を決めた場合などは、加盟交渉を直ちに中止する」とも述べて、トルコ政府にくぎを刺しました。