日本人の犯罪被害防止へ リオに特別の連絡室

日本人の犯罪被害防止へ リオに特別の連絡室
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リオデジャネイロでオリンピックとパラリンピックが開催される間、日本人の犯罪被害に対応しようと現地の日本総領事館はオリンピックパークのある地区に特別に連絡室を設置しました。
連絡室は、大会のメイン会場となるオリンピックパークと同じ地区にある建物内に設置されました。
日本総領事館では、医務官や警察官など10人前後からなる「邦人保護班」を編成していて、今回設置した連絡室に職員を常駐させ、日本人の犯罪被害に対応します。
連絡室が運営されるのは、オリンピックが開催される今月5日から21日までと、パラリンピックが開催される来月7日から18日までの間で、期間中には1万人前後の日本人が訪れるとみられています。
リオデジャネイロにある日本総領事館の白鳥謙治領事は、「リオデジャネイロは世界有数の犯罪都市で、今回のオリンピックは特に注意が必要です。被害に遭わないためにも注意して来てほしい」と話しています。

日本人の被害 相次ぐ

リオデジャネイロでは、オリンピックの開幕前にも競技会場の近くで、強盗や置き引きによる日本人の被害が相次いでいます。
先月30日の夕方には、ビーチバレーの競技会場などがあるコパカバーナ海岸で、日本人の男性がブラジル人の男に拳銃のようなもので脅され、現金を奪われました。
今月2日の夜にもほぼ同じ場所で、日本人男性がナイフを手に持った男ら5人組に砂浜に押し倒され、スマートフォンなどが入ったリュックを奪われました。
また先月31日には、多くの競技場があるバッハ地区の飲食店で、日本人の男性が会計を済ませている間に現金などが入ったかばんを置き引きされました。
このほか日本人の被害は確認されていませんが、先週には日本総領事館があるフラメンゴ地区など市内2か所で、渋滞待ちをしていた車の列が襲われる被害が相次ぎました。オリンピックの開催期間中は、1万人前後の日本人が現地を訪れると言われていますが、治安面の不安が課題となっています。

五輪観戦やブラジル観光の注意点

リオデジャネイロでは、道路を歩いている際にすれ違いざまにスマートフォンを奪い取られる被害が相次いでいます。また、レストランや空港、ホテルのロビーなどでは、貴重品が入った手荷物を置き引きされる被害も多発しています。
リオデジャネイロの日本総領事館では、歩きながらスマートフォンを操作しないこと、貴重品から目を離さないこと、万が一に備え、携帯する現金などは最低限にすることなどを呼びかけています。
また、オリンピックの競技会場はリオデジャネイロ市内の各地に分散していて、公共交通機関を利用する機会が増えることが予想されますが、利用には注意が必要です。
市内の幹線道路の一部は、ファベーラと呼ばれる貧困地域に接しているほか、交通渋滞が深刻で渋滞の途中で強盗に遭う被害が相次いでいます。
特に、地元の人が利用する公共のバスは強盗の標的となっているため、日本総領事館は利用を控えるよう呼びかけています。
また、列車も深夜や早朝は駅の構内や列車内で強盗や置き引きの被害が相次いでいて、こうした時間の利用は控えるべきだということです。
さらに、強盗や置き引きの被害は、外国人が多く集まる観光地で相次いでいます。美しい海岸で有名なコパカバーナ海岸や、左右に手を広げた巨大なキリスト像で知られるコルコバードの丘など、市内の観光地を訪れる場合には、特に警戒が必要です。
それでも、万が一、強盗の被害に遭った場合は、相手が子どもであっても銃や刃物を持っている可能性があるので決して抵抗しないこと、犯人は顔を覚えられることを恐れる傾向があるので相手の顔をじっと見ないこと、相手を驚かせないよう急な動作をしないことが身を守るうえで大事だということです。