オーストラリア議会 極右政党の躍進で混乱も

オーストラリア議会 極右政党の躍進で混乱も
先月行われたオーストラリアの総選挙で、イスラム教徒の排斥を掲げる極右政党が上院で複数の議席を獲得し、イスラム教徒の入国制限など極端な政策を展開し、議会が混乱するおそれも指摘されています。
オーストラリアで先月2日行われた総選挙について、選挙管理委員会は4日、上院のすべての議席が確定したと発表しました。
それによりますと、議会上院の76議席のうちターンブル首相率いる与党、保守連合が30議席、最大野党、労働党が26議席と、いずれも過半数に達しませんでした。
その一方、イスラム教徒の移民の受け入れ拒否などを公約に掲げている極右政党、ワンネーションが4議席を獲得しました。
ワンネーションの代表を務めるポーリン・ハンソン氏は記者団に対し「テロ事件が起きた国はイスラム教徒の入国を拒否したいと思っている。国を守るためにどうしたらよいか考えていきたい」と述べ、イスラム教徒の入国を制限するべきだという考えを示しました。
ハンソン代表は下院議員を務めていた1990年代に、当時増加していたアジア系移民の排斥を強く主張し物議を醸していました。
ワンネーションは今月末から始まる議会でもイスラム教徒の入国制限など極端な政策を展開するものと見られ、議会が混乱するおそれも指摘されています。