国連安保理 対北朝鮮で声明まとまるか中国が鍵に

国連安保理 対北朝鮮で声明まとまるか中国が鍵に
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北朝鮮による弾道ミサイルの発射を受けて、国連の安全保障理事会で緊急の会合が開かれ、日本、アメリカ、韓国が、北朝鮮に一層厳しい姿勢で臨むべきだとしているのに対し、中国は対話を通じて解決すべきだという従来の立場を強調し、今後の安保理の対応は、中国の出方が鍵を握るものとみられています。
北朝鮮が3日に中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられる2発のミサイルを発射し、1発が東に1000キロほど飛んで、日本の排他的経済水域に落ちたことを受けて、国連の安全保障理事会では、現地時間の3日(日本時間4日朝)に非公開の緊急会合が開かれました。

会合のあと、日米韓の国連大使はそろって記者会見し、北朝鮮が安保理決議を無視してミサイルの発射を繰り返し、今回はミサイルが日本の排他的経済水域に落下したとみられることに強い懸念を示したうえで、国際社会が一致して圧力をかける必要性を改めて訴えました。

一方、中国の劉結一国連大使は、記者団から北朝鮮を非難する声明に賛成するのかと問われたのに対し、まだ声明の草案は示されていないとしたうえで、「われわれは朝鮮半島の非核化、平和や安定をもたらす対話を通じた解決につながる行動をとる」と述べ、従来の立場を強調しました。中国は北朝鮮を過度に刺激すべきでないとして、これまで一定の配慮を示しており、今回も安保理で日米韓の意向を反映した新たな声明がまとまるかどうかは、中国の出方が鍵を握るものとみられます。

官房長官「わが国の安全保障に重大な脅威」

菅官房長官は、午前の記者会見で「今回、北朝鮮が発射を強行したことは関連の安全保障理事会の決議に明白に違反するもので断じて容認できない。とりわけ今回の弾道ミサイルがわが国の排他的経済水域内に落下したことは、わが国の安全保障に対する重大な脅威であるとともに、許しがたい暴挙で、極めて深刻に受け止めているという発言を安全保障理事会の中で行っている。韓国も各国も今回の発射を非難したということだ」と述べました。

そのうえで、菅官房長官は、記者団が北朝鮮を非難する声明に反対する国があると指摘したのに対し、「国際社会はそれだけ冷徹なことだと思う。わが国としては全力で外交努力はしているが、そうした国が現実的に存在しているのは極めて遺憾だ」と述べました。