ボタニカルブス? 左手をサブマシンガンに改造しているブスか何かかな?
今回のテーマは「ボタニカルブス」である。
〝である〟とは言ったが、自ら決めたテーマではなく、当然担当が提案してきたものであり、当方、「ボタニカル」などという言葉は、今回初めて聞いた。
何やら近未来の香りがするので、左手をサブマシンガンに改造しているブスか何かかな、と思ったら、その意味は全く真逆であった。
<ボタニカル:「植物の」>という意味。「植物の力を取り入れて活力を得る」などの意でも使われる。
まず、「こいつは強いな」という印象だ。従来からあった、「オーガニック系」の意識をさらに高い所にトバした感がある。さらに古より、オーガニック系と肩を並べてきたスピリチュアル系も入っている気がする。長い間、微妙な距離を取っていた両者が手を組んだら、そりゃ「俺たちは手ごわいぜ?」という話だ。
実際、ボタニカルというのは、ただ植物性のものを規定量の二倍食ったり、顔面に塗りたくったりするだけではなく、インテリアや服さえも植物柄にして、全方位から、植物パワーを取り入れ、新世界の神となり、人類を粛清する。
という発想ならまだいいのだが、たぶん、他の「〇〇系」と同じく、「パッとしない自分を変えたい女のために作られた新スタイル」である。
所謂、自然志向、健康志向の一つだ。
前に「最終的にものをいうのは、健康」と書いたので、健康を目指すのは良いことではないか、と思われるかもしれないが、「健康志向」と「健康志向というファッション」は、「かりんとう」と「ウンコ」ぐらい違う。
懐から泥つき大根と自家製味噌を出して、黙々とかじっているブスなら本物
そして、「ファッション健康志向ブス」というのは、下手をすると「ダサい」「モテない」のみならず、何より「人をイラつかせる」という三冠王を達成してしまい、これにはジャビットくんも全力タックルからのローリングソバットだ。
健康志向でも自然志向でも、懐から泥つき大根と自家製味噌を出して、黙々とかじっているブスなら、本物のボタニカルという感じがするが、「ファッションボタニカルブス」というのは、自分が自然派であるということを他人にアピールしないと死ぬ病気に罹っている場合が多い。
「私、シャンプーはノンシリコンのしか使わない人だから」と誰も聞いてないのに言うのだ。これは、「私、化粧品は無添加のしか使わない人だから、思いっきりぶん殴っていいよ」という話でなければ、9割の人間の血管を破裂させる。
つまり、健康や自然派を目指しているのではなく「◯◯志向の自分イケてる」と思ってやっているブスがいるのだ。
だが、そういった「自然派スタイルで美しく見せる」というのは、正直モテファッションで可愛くなるよりもずっと難易度が高い。
モテファッションというのは、他人に良く見せられるなら、手段は選ばない。問題点を全部塗りつぶして、そこに新しい顔を描いたり、何でもありの暗黒地下闘技場なので、ドーピングに次ぐドーピング、時に改造手術さえもいとわない。金と時間をかけ、また適切な方法でやれば成功率は高いのだ。
その点、自然派は素材を生かし、できるだけ手を入れないのが信条である。世の中には「製作に3時間かけたナチュラルメイク」という矛盾したものもあるが、自然派なら、薄化粧、さらに上をいくと、「スキンケアに時間はかけるがノーメイク」という者もいるだろう。また、服装もシンプルであり、かかとの低い靴を履いていたりする。
ブスという素材の持ち味を生かしたら、ドブスになる
ようするに、元が良くないと、かっこよく見えないスタイルなのである。
確かに、良い素材(美人)なら、塩(薄化粧にシンプルな服)だけで十分、美味しくいただけるだろうが、賞味期限ギリの生の豚肉(ブス)を、塩だけでどうぞ、と言われたら、まず「消し炭になるまで焼け」と言うだろう。ブスという素材の持ち味を生かしたら、ドブスになるに決まっている。
このように、一歩間違うと、モテコーデブスよりも、数段痛くなってしまう「ファッションボタニカルブス」だが、こういうブスが一番、人をイラつかせるのは、ダサくてモテないのに、モテコーデブスより自分が上の存在であると思っている点である。
「私は、もう男の目線とか、モテとか超越してるんで」と、いま藪から這い出たばかりなのかな? というような植物柄のダラッとしたワンピのブスに言われたら、誰だって「こいつを絞め殺す用の蔦を持ってこい」と思うだろう。
だが、ボタニカル系だけでなく「〇〇系」自体に罪はない。完璧なロリータファッションだけど、頭はモヒカンなどの迷走をするよりは、「〇〇系」になるという指針があった方がブレはなくなる。
それが、「私、〇〇系なんで」と周りを巻き込みだした時点で、ブスが始まるのだ。ダイエットするにも、「私、ダイエット中なんで」と食事についてきておきながら、サラダしか頼まないなど、グルーブを下げるようなことをするからブス度が上がるのである。
よって、そういったアピールを自分からするのではなく、黙って、胸を両拳で叩いたり、突如ナックルウォーキングをしたりと行動で示していけば、自ずと「彼女ってマウンテンゴリラ系だよね」と周りが評価してくれるようになるのだ。