ピクシブ百科事典

無人在来線爆弾

むじんざいらいせんばくだん

無人在来線爆弾とは、日本人の斬新かつ奇抜な発想力により生み出された全く新しい対ゴジラ最終兵器である。
目次[非表示]

「——この機を逃すな!無人在来線爆弾、全機投入!」

※注意



この記事は『シン・ゴジラ』の重大なネタバレを含みます

映画を鑑賞済みの方、もしくはネタバレも平気という方以外はブラウザバックをお勧めします。























概要

ゴジラ映画29作目『シン・ゴジラ』最終盤での出来事である。

矢口蘭堂ら巨災対メンバーの奮闘、里見祐介首相代理の政治努力、諸外国の研究機関とフランス政府の協力により、攻撃のタイムリミットギリギリになって予定量の血液凝固剤の生産が完了した。

そしてゴジラに血液凝固剤を経口投与し、体内原子炉をスクラムさせることによって凍結する「ヤシオリ作戦」が発動した。

この作戦が観客の度肝を抜いたのである。
まず伊福部昭氏の「宇宙大戦争マーチ」とともに颯爽と東海道新幹線N700系が2編成で登場し先陣をつとめる。無人操縦の車両が大量の爆薬を搭載して、東京駅で休眠中のゴジラの脚部に突っ込む。脚部に多大な衝撃を受けたゴジラは覚醒を余儀なくされ、咆哮を上げながら周囲を見渡す。

続いて現れたのは空を埋め尽くさんばかりの無人機の群れ。米軍から供与されたミサイルを満載した無人機が多数同時に攻撃を行うが、放射線流の背部多発同時発射により、その発射機ごとあっけなく撃墜されてゆく。しかし、それにも構わず無人機の波状攻撃が敢行され、遂にゴジラのエネルギーは枯渇し、熱線を封じ込められる。

sin


そこへ周囲の高層ビルを倒壊させてゴジラを転倒させ、血液凝固剤の第1次注入に成功。

そして作戦最終段階。動きの鈍ったゴジラの脚部に決定的ダメージを与えるために登場したのが…

無人在来線爆弾


この無人在来線爆弾である。

最終決戦の最終段階に満を持して登場したのがごくごく普通のなじみ深い平凡な在来線
それだけでギャップ満載の映像に「無人在来線爆弾」というあまりにもぶっ飛んでいるのにやたらと語呂が良い字幕がエヴァでおなじみの明朝体で表示されるのだ。

ゴジラがよろよろと東京駅の線路上に踏み込んだ時、無人在来線爆弾は誘導爆発によってゴジラの体にまとわりつくように噴き上げられ、起爆。
黒い巨体に猛烈な爆発の嵐を叩き込み、東京駅駅舎を押し潰す形で2度目の転倒をさせることに成功した。

無人新幹線爆弾と合わせて、後で思い返せば笑いがこみ上げてくる単語だが、巧みな演出と伊福部氏の音楽が荒唐無稽な印象を打ち消し、手に汗握る最終決戦としてヤシオリ作戦の戦闘シーンを完成させている。
観客の抱いた印象は様々であろうが、「宇宙大戦争マーチ」の軽快なメロディ(ただし、この無人在来線爆弾が登場する時に流れる楽曲は「Under a Burning Sky」という別の曲)、インパクト満点な映像が強く脳裏に刻み込まれただろうことは間違いない。

思えば初代ゴジラから始まり、怪獣映画ではわりと散々な目にあってきた電車群の反撃シーン…と見るのも面白いかもしれない。

なお、作戦に際し、損傷していた線路架線突貫工事で修理されている
ゴジラの活動停止から作戦の確立まではほとんど時間が無かったのに、この復旧力は驚異的というほかない。

ちなみに……

冷静に分析してみると、この無人在来線爆弾、実はかなりえげつない

強固なレールの上を堅牢な金属車輪によって走る列車は、レールがなければどこにも行けないという不便さの代償に、強力なペイロードと高速性を手に入れている。その耐荷重性能は他の車両とは一線を画すものがあり、未だ史上最大の砲である80cm列車砲の存在がそれを証明している。

在来線もまた例外ではない。
客車とはいえ時に乗車率200%に達する都心の近郊型車両は、通勤ラッシュ時の酷使に耐えるべく非常に大きな輸送能力を与えられており、なんと1両あたり18tもの積載が可能である。
一編成ではない、1両あたりである

で、この18tがどのくらいかというと……

これが十両で一編成、それを十編成以上も叩き込んだわけである

威力は単一の爆弾としては恐らく史上最大のものであり、総炸薬量は戦略爆撃に匹敵する

また、あまりにもぶっ飛んだネーミングや作戦のインパクトの陰に隠れがちだが、これが全て、でかいとはいえたかだか100mそこらの生物に集中投入され、しかもそれで転ばせるのが精いっぱいだったのであるから、ゴジラがいかに恐ろしい存在かということもよくわかる。

ただし、無人在来線爆弾はあくまでこのすぐ後の最も重要な作戦への繋ぎである為、その点では大成功だったとも言えるだろう。
かくして、無人在来線爆弾は現実的に実現可能な兵器でありながらゴジラを相手に多大な戦果を上げた、数少ない存在へ堂々たる仲間入りを果たしたのである。

関連項目

シン・ゴジラ ゴジラ
宇宙大戦争
伊福部昭

鉄道 列車 電車 在来線 対G兵器

珍兵器 日本面
IED(一応これにカテゴライズできないこともない。規模は前代未聞だが)

pixivに投稿された作品 pixivで「無人在来線爆弾」のイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 26407

コメント