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【社会】

長崎原爆の日…金子兜太さんら「不戦の歳時記」 反戦の原点「人間の美しさ」

パネルトークで戦争について話す(左から)映画監督の高畑勲さん、俳人の金子兜太さんと黒田杏子さん、哲学者の一ノ瀬正樹さん=9日、東京都文京区の東京大で

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 長崎原爆の犠牲者の追悼やこれからの平和を考えるトークイベント「不戦の歳時記」が九日、東京大(東京都文京区)で開かれ、俳人の金子兜太さん(96)や映画監督の高畑勲さん(80)らが語り合った。

 金子さんは、反戦への強い思いの原点として、二十五歳でミクロネシアのトラック諸島へ出征した時の出来事を話した。

 手りゅう弾の実験の失敗で軍属の男性工員が倒れた時、死亡は明らかだったのに、仲間の工員たちはとっさに男性を病院へかつぎ込んだ。悲惨な死を目の当たりにした衝撃と同時に、本能的に仲間を助けようとする「人間の美しさ」に打たれ、「人間が、こんな場所で、こんなことで死んでいく戦争は、絶対だめだと悟った」と振り返った。

 高畑さんは「日本が七十一年間、殺し、殺さずに来られたことはすごいことで、無視してはいけない。これからの不戦に生かしていかなければ」と語った。

 

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