こんにちは、せみけんです。
本日のウェルネット(2428)への投資を開始しました。
2016年8月5日の決算の結果を受けて、8月8日はストップ安となり、本日も下落しました。ビジネスモデルが面白いので分析して、本日入れていた指値が全部引っかかってました。本日も一旦は暴落してたみたいです。
上昇したら短期的に売るかもしれませんが、一旦分析した内容をまとめてみます。
1.会社概要
2.中期経営計画について
3.分析(仮)
1.会社概要
消費者が商品やサービスを購入した際の電子決済スキームを販売事業者に提供。
B to Bなんで分かりにくいですが、オンライン決済システムを提供している会社。こういう会社は少ないのとゲートウェイ型なんでなかなか儲かっています。
主力サービスであるマルチペイメントサービスは、国内大手航空会社、大手高速バス会社、大手通販会社等豊富な導入実績があり、かなり安定感のある経営です。
創業以来、常にチャレンジを続ける企業でもあり、今回もアグレッシブな中期経営計画を出してきたことから、株価は軟調な状況です。めちゃめちゃこの中経攻めてますよ。
ちなみに売上高の推移を見てみましょう。
綺麗な右肩上がり。16年6月期は、10,000(百万円)突破しており、好調継続です。ほれぼれする売上推移ですね。
(注1)百万円未満は切り捨てて表示しております
(注2)売上高に消費税は含まれておりません
(注3)11/6期より、オンラインビジネスサービスにおけるPINオンライン販売サービス及び電子認証サービスにおける95bus.comサービスの売上高を純額表示に変更しております。比較のため、10/6期以前も純額表示した場合の数値を記載しております
(引用元:ウェルネットホームページ IR情報 業績ハイライト)
利益の方も見てみましょう。こちらも右肩上がりで、2016年6月期は、2,000(百万円)を超えてきており、こちらも好調。2013年~2015年まで若干停滞していた利益ですが、2016年は頭一つ抜けた20億円突破となかなかこちらも素晴らしい推移。
(注)百万円未満は切り捨てて表示しております
(引用元:ウェルネットホームページ IR情報 業績ハイライト)
2.中期経営計画について
さて、これだけ好調な会社なんですが、今回の中計発表では大きく売られました。
その内容についてですが、まずは、今期(2017年6月期)の決算予想をご覧ください。
売上高は微増なんですが、営業利益、経常利益は大幅減益となっています。これを受けて、大きく売られています。1396円(2016年8月9日)の終値で考えるとPER31倍かつ大幅減益なので、この反応も仕方ないかもしれません。
【当社を取り巻く環境変化と対応戦略=新中期経営5か年計画】 当社は主として非対面決済およびその周辺を事業ドメインとし、その中で確立したノウハウと実績により業績を 伸ばしてまいりました。
非対面決済市場は今後も一定の伸長を見込んでおり、引き続き現状のビジネススキーム の維持発展を継続してまいります。
当新中期5か年計画期間中においては、フィンテックの急速な進展、実用化 が見込まれ、またIoTの利活用が始まるなど、当社を取り巻く大きな環境変化を新たなビジネスチャンスに変えるための投資を積極的に行うことで、最終年度には経常利益50億円を目標とした成長戦略を実行してまいりま す。
5年後に経常利益50億円ということなので、2016年6月期と比較して2.5倍です。相当アグレッシブな会社ですね。2016年6月期に売上100億円、経常利益20億円を超えたところなのに、経常利益で5年後に50億円とは攻めすぎじゃないかという印象。
A.ウェルネットの“フィンテックサービス”「支払秘書」をリリースします(2017年3月予定)当社の事業収益の柱は“リアルタイムの現金決済”ですが、電子マネー・キャッシュレス決済が今後さらに伸長する可能性が高いとみて、2011年に構想し、その後要件定義・開発を進めてきた電子マネーサービス「支払秘書」をリリースします。
フィンテック関連銘柄が流行ったのは、今は昔ですが、このサービスも伸びそうな印象を受けました。2011年から構想していたっていうのも凄いですが、多頻度少額の決済にも利用可能なので、今後の時代ニーズに合致したものになりそうです。
ただ、このサービスが上手くいかなければ、今後の増益も見込めませんし、経常利益50億円のうち、このサービスによる増益はどの程度かわかりません。
積極的な投資をタイムリーに行う方針により、2017年、2018年6月期の営業利益は10億~15億円程度となる見込みです。
その果実としての経常利益目標を3年後の2019年6月期の30億円、5年後の2021年6月期50億円と設定いたします。
なお、3年後30億円、5年後50億円の経常利益は明確な目標ですが、既述のとおり現在訪れている大きなビジネスチャンスを目の前にして、“フィンテックサービス”関連などに大規模かつ機動的な投資を行うことをはじめ積極的にリスクをとる経営方針を決定したことから、2017年、2018年の営業利益については、新たなプロジェクトの進捗により、変動する可能性があります。
最後の一文も気になりますね。将来の投資のためには、大きく2017年、2018年の業績が修正される可能性もあり、なんとも言えないですね。
この会社規模で数億、下手したら数十億円の投資を売っていくということなので、かなりの積極投資です。会社としては長い目で見てほしいということなのでしょう。
株主への対応として50円配当とし、1394円の株価では3.5%の利回りがあります。ある程度、株価下落のクッションとなりそうです。
これまでもしっかり配当、自社株やってきましたが、130億円程度の現金があり、仮に50円配当を3年しても恐らく30億円程度で済みそうなため、配当余力自体はしっかりあります。
3.分析
※会社発表の数値をもとに推定 単位100万円
試算してみました。税率34%程度として、営業利益に掛け算するという簡単な方法ですが、営業利益50億円達成なら、1株利益177円程度となります。
捕らぬ狸の皮算用ですが、177円達成×各PERの株価は以下の通り。本当に達成されていれば、PER25倍でも問題ないので、株価は3倍は超えてくるかなという印象。
5年我慢して、上手くいけば3倍程度は目指せそう。ただし、投資が厳しい結果になると今のPER31倍なので、株価3桁も全然ありそう。5年忘れて放置できるならありですかね。5年のうちに〇〇ショックもきっとありますし、余力資金で少し買ってみるくらいがいいかなと思い、小さめのロットで投資してみました。
個人的には、それなりに投資リスクのある案件だと思ってますし、そこそこ上昇すれば利食いするかもしれません。まずは3年後の経常利益30億円を達成できることを願ってます。
もう一つ、大株主についてもリスクありかもしれません。ひふみ投信や外国法人の投資家がかなりの割合(恐らく40%以上)を保有しており、短期的に売られるリスクも残ってます。少なくとも3年はそれほど利益が出ないと会社側は言っているので短期の投資家はどんどん売ってくる可能性はあります。
大株主次第では下落継続もありそうです。投資のご判断はご自身でお願いします。
ミスミグループを引っ張ってきた三枝氏の著書で有名なのは戦略プロフェッショナルですが、「経営パワーの危機」という本を最近読みました。経営の立て直しについて小説で学べる良書。経営と財務はやっぱり一体なんですね。
経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
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