学ぶこと多すぎ!
ライカが手がけるストップモーション・アニメーション映画の最新作「クボ・アンド・ザ・ツー・ストリングス」。
ストップモーション・アニメーションといえば、人形を1コマ毎に動かしては撮影し、写真をつなぎ合わせて連続した動きに見せて作るアニメ。膨大な手間暇と制作時間並びに予算がかかることで知られていますが、具体的にはどのような流れで作られているのでしょうか?
今回はストップモーション・アニメーションのアニメーションパートを徹底解説する動画をお届けします。
これはAcademy Originalsによる、ライカ在籍のストップモーション・アニメーターのダニエル・アルダーソンさんに焦点をあてた動画。
もともと実写を希望していたダニエルさんですが、ストップモーション・アニメーションの魅力に取り憑かれてその道に進むことに。
ストップモーション・アニメーターとは、人形に命を吹き込みストーリーを語らせる、いわばキャラクターを具現化させる人たちのこと。
壁一面に張り巡らされているのは、スケジュール兼進捗表。誰がどのシーンを、どの段階まで進めているのか、いつまでにどれくらい終わらせていなければならないのかが瞬時にわかるようになっています。これを管理しているのは「スケジューラー」のジャレッド・バムガーナーさん。「6日で250フレームだから、1日43フレームでお願い」といった具体的な数字をアーティストに提示する管理のプロです。
アニメーションのプロセスの第一段階は、デジタルで作られたキーフレームのラフアニメを見ながら動きの確認をすること。次に実際に体を動かしてリファレンスの映像を作ります。どんなに単純な動きでも、再現してみることでディテールを加えるアイディアを得られることもあるそう。
そういった手順を踏んでから、パペットデパートメントに移動し、リグ(小道具)の動きや、必要となる衣装、表情などの確認が行なわれます。
パペットの調整をしたのち、リガーとともにセットに移動し、レイアウトに入ります。全ての準備が整うと、カーテンを閉めてアニメ付けという孤独の作業が開始。ここで「ドープシート」という絵、音、カメラの動きを正確に表示するための表が活躍します。
どのタイミングでセリフを言うのかも管理できるので、フェイシャルアニメーターが3Dプリンタで作った表情パーツのあらかじめ用意することも可能な上に、アニメーターもいつ表情パーツを付け替えればいいのかを把握できるのです。
いかがだったでしょうか? ハリウッドではスケジュール管理はエクセルやプロジェクト管理ツールのShotgunというソフトを使うのが一般的ですが、ストップモーション・アニメーション業界だと、部屋に来て確認しなくてはいけないというデメリットはあるにせよ、こうやって壁に張り出すほうが管理しやすいのかもしれませんね。
また印象的だったのが、左から右に流れる計算され尽くしたパイプライン! ひとりひとりがしっかりと目標を見据えているからか、あやふやな表現でクルーを混乱させていないのも素晴らしいの一言でした。
source: YouTube
(中川真知子)