障害者手帳の交付申請却下、取り消しを認めず
仙台地裁「程度が交付対象にならない」と判断、請求棄却
吃音(きつおん)を理由とする身体障害者手帳の交付申請を仙台市に却下された同市の無職、桜田俊介さん(47)が市を相手に却下決定の取り消しを求めた訴訟の判決で、仙台地裁(高取真理子裁判長)は8日、請求を棄却した。
判決は、桜田さんの吃音の程度は交付対象にはならないと判断したが、原告側弁護士は「判決は吃音者でも手帳の交付を受けられる余地があると事実上認めており、画期的だ」と評価した。
訴訟で、市側は「国は吃音を精神障害に分類される発達障害に当たるとしているので、身体障害者手帳の交付対象にならない」と主張したが、判決は「個別具体的な障害の程度」に基づいて判断すべきだと指摘。その上で桜田さんは訴訟の本人尋問などで意思疎通ができているとして交付対象とならないとした。
判決を受け、桜田さんは「悔しくてたまらない」と話し「支えてくれた妻にこれ以上(労力的、金銭的な)負担はかけられない」と控訴はしない方向だ。【遠藤大志】