胸焼けの原因は生活習慣にある!逆流性食道炎・胸焼けの解消法とは?
2016/08/09
脂っこいものを食べたり、お酒を飲んだ後などに、胸や喉が焼けるようにヒリヒリすることがありますよね。これは、胃酸が食道まで逆流してしまうことによって生じるものです。
すぐに症状が収まるので気にしていない人が多いですが、これが慢性化すると食道粘膜に炎症を起こす「逆流性食道炎」になる可能性が高いです。
- 焼肉を食べると呑酸になる
- 排卵日付近になると胸焼けがする
- 胸が痛くなって嘔吐してしまう
- 胸がムカムカして仕事や勉強に集中できない
このような症状が頻繁に出るようになったら、逆流性食道炎を疑ってください。裏側に大きな病気が潜んでいる可能性もあるので、注意しなくてはいけません。
ここでは、逆流性食道炎・胸焼けの原因や解消法について紹介をします。
目次
逆流性食道炎とは、胸に焼けるような痛みや違和感を伴うもの
胸が焼けるように痛い、ゲップが頻繁に出る、喉の奥に酸っぱいものが上がってくるなどの症状がでたら、逆流性食道炎になっている可能性が高いです。
逆流性食道炎の症状としては、次のようなものがありますね。
- 胸焼け
- 胸の奥が焼けるような痛みがあったり、胸がムカムカして違和感が出たりします。胃酸が逆流して、食道の壁を刺激してしまうからですね。
- 呑酸(どんさん)
- 喉の奥に胃酸が上がってきて、口の中に酸っぱい味が広がります。喉が刺激されることで、吐き気をもよおす場合もあります。
- 喉を傷める
- 胃酸によって喉が炎症を起こすので、喉に不快感が出てくることがあります。声が出にくくなったり、咳が止まらなくなったりしますね。
- 口臭がきつくなる
- 喉の奥まで酸っぱい胃酸が上がるようになると、口臭がきつくなってしまいます。口に手を当てて酸っぱい香りがしたら、逆流性食道炎によるものだと考えて良いでしょう。
よく、胸焼けと胃もたれを混同する人がいますが、症状としては全く異なります。
胃もたれとは、消化不良を起こしてしまって胃の中に食物が滞留してしまっている状態です。そのため、胃が重く感じたり、ムカムカしたり、お腹周りに違和感が残ったりします。
胸焼けとは、症状が違うので間違えないようにしてください。
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逆流性食道炎を放置すると、ガンになる可能性もある
逆流性食道炎は、胸や喉に不快感があるだけなので、特別な対処をせずに放置している人が多いでしょう。
しかし、逆流性食道炎を放っておくと、大きな病気のキッカケとなるかもしれません。重症化する前に、何かしらの対処をしておく必要があります。
逆流性食道炎が重症化したら、以下のようになります。
バレット食道
バレット食道とは、食道の粘膜が胃や腸と同じ状態になってしまう症状を指します。逆流性食道炎の患者さんの半数近くにみられる症状で、食道がんにかかるリスクが格段に高くなるので注意が必要です。
通常、食道の粘膜は扁平上皮(へんぺいじょうひ)という膜で覆われています。そして、胃や腸は円柱上皮(えんちゅうじょうひ)という別の膜で覆われているわけです。
しかし、食道に胃酸が逆流し続けると、胃酸によって食道の膜が変化してしまいます。食道の膜も円柱上皮(えんちゅうじょうひ)になってしまうために、ガン細胞が作られやすくなるようです。
食道狭窄(しょくどうきょうさく)
食道が狭くなってしまうことを食道狭窄(しょくどうきょうさく)と言います。
長く胃酸にさらされ続けると、食道内が炎症を起こして凹凸ができてしまいます。すると、食道の一部が狭くなってしまって、食物が通りにくくなるわけです。
また、食道ガンの結果として、食道狭窄になることもありますね。なので、食事の際に喉につかえる感じがしたり、むせてしまう人は要注意だといえるでしょう。
食道潰瘍(しょくどうかいよう)
食道の膜の一部が溶けてしまって欠損した状態を、食道潰瘍(しょくどうかいよう)と呼びます。
欠損の部分が大きいと、大出血を起こして吐血することもあるようです。血を吐くとビックリするかもしれませんが、命に別状はありません。
大抵の場合は、粘膜がただれてしまう「びらん」という状態で済むことがほとんどです。
食道ガン
最も怖いのが、食道ガンですね。
胃酸の影響で食道にダメージを負ってしまうので、免疫力が低下してガン細胞ができやすくなってしまいます。
喉に違和感があるようであれば、早目に病院の診察を受けるようにしてください。内視鏡検査を受けることで、食道ガンの早期発見ができるはずです。
胃酸の逆流の原因は生活習慣にある
暴飲暴食
何も考えずに食べたり飲んだりしていると、胃に大きな負担をかけてしまいます。胃の内容物が多くなることで、胃酸の量も増えやすいです。すると、胃の中が一杯になってしまって、逆流しやすくなるわけですね。
特に、食べてすぐに横になる人は、逆流しやすい傾向にあります。ですから、食べ過ぎて胃の中身を増やさないことが大切だと言えるでしょう。胃に負担を掛けない食生活を心掛けなくてはいけません。
また、アルコールやコーヒーなどは、胃酸の分泌を促進させてしまいます。胃酸が増えるほど胸焼けをする可能性が高くなるので、胃に刺激を与えるようなものは口にしない方が無難です。
消化に悪いものを食べる
脂っこいものやお菓子類を食べると、消化に時間が掛かってしまいます。消化の時間が長くなるほど、胃酸の分泌も多くなりがちです。だから、食道まで逆流しやすくなってしまうわけですね。
暴飲暴食と同じように、胃に負担を掛けるだけですから控えるようにしましょう。あっさりしたものを食べることで、すぐに消化できるので胃酸の量を減らすことができます。
消化に悪い食材としては、以下のようなものがありますね。
- コーンフレーク
- さつまいも
- こんにゃく
- 納豆
- 青魚
- ゴボウ
腹圧が上昇する
肥満や妊娠をしている人は、腹圧が高くなる傾向にあります。すると、胃が圧迫されるので、中身が逆流しやすくなるわけですね。なので、キツめのズボンを履いたり、ベルトを強く締めるのも控えるようにしてください。
また、デスクワーク中心の人は、姿勢が前かがみになるので胃を圧迫しがちです。車に長時間乗る人も、シートベルトでお腹を締め付けている場合があります。ですから、背筋をピンと伸ばして、腹圧を調節するようにしましょう。
他にも、うつ伏せで寝ていたり、猫背になっている人も、腹圧が上がりやすいので気を付ける必要があります。
ストレス
胃や腸は、ストレスに非常に弱い臓器です。緊張したりすると、お腹を壊してしまう人がいますよね。このように、強いストレスを感じると、内臓に影響することがあります。なので、胃の調子が悪くなって、胃酸が過剰に分泌されることも珍しくありません。
また、自律神経のバランスが崩れることで、食道粘膜が弱くなることもあります。すると、少量の胃酸でも食道に不快感を与えてしまい、胸やけを起こしてしまうわけですね。
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すぐにできる胸焼けの解消・予防法
胃酸を洗い流せば胸焼けは解消できる
- 水分をたくさん摂る
-
胸焼けを感じたら、水を飲むようにしてください。食道内の胃酸を洗い流すことができるので、胸の痛みを解消することができます。
おススメなのは、ミネラルウォーターですね。ミネラルウォーターはアルカリ性なので、胃の中を中和してくれます。
- 唾液を多く出す
-
すぐに水を飲むことができない状況なら、ガムを噛んでみましょう。ガムを噛むことで唾液が大量に出るので、胃酸を流すことができますよ。
ガムも無いのであれば、梅干しやレモンなどの酸っぱい食べ物を想像してみてください。すると、口の中が唾液で溢れるのが分かると思います。
たくさん唾液を出して飲むこむようにすると、胸焼けも軽減されるはずです。
- 胃薬を飲む
- 水を飲んでも解消されないときには、胃薬を飲むようにしてください。特に、胃酸の分泌を止める「H2ブロッカー」が含まれているものがおススメです。第一三共のガスター10が有名ですね。
生活習慣に気を付けると胸焼けを予防できる
- よく噛んで食べる
- しっかりと噛んで食べるようにすれば、消化しやすくなるので胃酸の分泌を減らすことができます。胃もたれの防止にもなるので、よく噛むことを心がけましょう。
- 腹八分目に抑える
- 満腹まで食べてしまうと、胃に負担をかけて胃酸の分泌が過剰になります。胃酸が逆流しやすくなるので、八分目までに抑えるようにしてください。
- 刺激物を食べない
- カフェインや香辛料などを食べ過ぎると、胃に刺激を与えて胃酸の分泌を促してしまいます。なので、胸焼けをしやすい人は、刺激物を食べないようにしてください。
- 食べてすぐ横にならない
- 食後から30分ほどは、内臓が活発に働いて胃酸が多く分泌されています。その状態で横になってしまうと、高い確率で逆流してしまうでしょう。なので、食べた後は座ったり立ったりして、姿勢に注意してください。
- 寝るときは上半身を高くする
- 夜に寝るときには、真横ではなく上半身が少し高くなるようにします。背中にマットを置いて枕を高くすれば、上半身に傾斜を付けることができますよね。そうすれば、胃酸が逆流しにくくなるわけです。
- 暴飲暴食の後は1食抜く
- 食べ過ぎたり飲みすぎたりした後は、食事を抜くことも大切です。内臓に負担が掛かっているので、休めるようにしましょう。お腹が空いたら、水をたくさん飲んで気持ちを紛らわせてください。
- ゆったりとした服装をする
- 腹部を圧迫するタイトな服装ではなく、少しゆったりとした格好を意識してください。腹圧が掛からないようにすれば、胃酸も食道まで届くことはありません。
- 姿勢を正しくする
- 姿勢が悪い人は、腹圧が高くなりやすいです。特に、デスクワークが中心だと、猫背になってしまいます。なので、背筋を伸ばして内臓を圧迫しないようにしましょう。
- お酒を控える
- アルコールは、胃の粘膜を傷つけてしまいます。また、胃酸の分泌も促してしまうので、胸やけを起こしやすくなるわけですね。なので、自宅で毎晩お酒を飲んでいる人は、少し控えるようにしてください。
- ストレスを溜めない
- 過剰なストレスを溜めこむと、胃の働きを悪くしてしまいます。胃の機能が低下して消化不良を起こしてしまったら、胃酸の過剰分泌の原因となります。ですから、適度にストレスを発散させて、リフレッシュをしてください。
下部食道括約筋を鍛えることが重要
胃と食道の境目には、「下部食道括約筋」という筋肉があります。これは弁の役割をはたしていて、胃酸の逆流を防ぐ働きをしています。下部食道括約筋が正常に機能していれば、胃酸が食道に上がってくることはありません。
ただ、先述したように生活習慣に問題があることで、下部食道括約筋は弱まってしまいます。胃と食道の間の弁が機能しなくなると、胃酸が逆流してしまうということですね。
なので、下部食道括約筋を鍛えることが、逆流性食道炎の根本的な解消法となるわけです。その方法として、「ドッグブレス」というトレーニングがあります。
ドッグブレスは、ボイストレーニングとして行われているもので、声量をアップするための練習です。これをすることで、下部食道括約筋も鍛えられますから、逆流性食道炎の防止に繋がるわけですね。
以下の動画で詳しく紹介されているので、やってみてください。
以上、逆流性食道炎・胸焼けの原因と解消法について解説をしました。
一過性のものだと甘く見ていると、思わぬ重病の原因となるかもしれません。なので、症状が軽いうちに改善できるようにしてください。毎日の心がけが大切となります。
photo credit: Digestive System|Skin cell |Lemonyy.