広島 6日、71回目 平和記念公園で式典
広島は6日、71回目の「原爆の日」を迎えた。広島市中区の平和記念公園では午前8時から平和記念式典が開かれ、被爆者や全国の遺族の代表、安倍晋三首相ら政府関係者、各国の代表が参列する。
5月末に現職として初めて広島を訪れたオバマ米大統領は、「核兵器なき世界」の理想に改めて触れ、その後も核兵器の先制不使用を検討しているとされるが、動きは限定的だ。国内に目を転じても「核の傘」に依存した安全保障政策は変わらない。核廃絶に向け主導的な役割を期待する被爆者の思いとはかけ離れ、改めて政府の姿勢が問われる。
松井一実市長は平和宣言で、オバマ大統領が演説で示した「情熱」を持って各国指導者の連帯を呼び掛け、日本政府にも「核なき世界は、憲法が掲げる崇高な平和主義を体現する世界」として、核兵器禁止の法的枠組みについての議論を主導するよう求める。また、高齢化する被爆者への援護策拡充を強く訴える。
式典には、過去最多となった昨年の被爆70年に次いで多い91カ国と欧州連合(EU)の大使らが参列する。
被爆者健康手帳所持者は、ピークの1980年の半分以下となる17万4080人。平均年齢は80.86歳(いずれも3月末現在)。
5日夜は同市の原爆ドーム前の元安川でかがり灯をともし、世界平和を祈る「第2回ひろしまかがり灯(び)の祭典」があり、通りかかった人たちは水面を照らす炎を見守った。祭典を主催した折笠広司代表(67)は「8月6日は広島にとって大切な日。平和とは何かを考え、未来を作っていきたい」と話した。【山田尚弘、藤田愛夏】