柔道男子73キロ級 大野将平が金メダル

柔道男子73キロ級 大野将平が金メダル
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リオデジャネイロオリンピック、柔道男子73キロ級で大野将平選手が金メダルを獲得しました。柔道の日本勢としては、今大会、初めての金メダルです。
オリンピック初出場の大野選手は、初戦の2回戦と、3回戦をいずれも一本勝ちし、準々決勝は優勢勝ちで順当に勝ち上がりました。
準決勝はベルギーのディルク・ファンティヘルト選手と対戦し、終始、攻め続けて「技あり」と「有効」のポイントを奪い、さらに残り1分余りでともえ投げを決めて一本勝ちしました。
決勝はアゼルバイジャンのルスタム・オルジョフ選手と対戦し、1分40秒すぎに内股で「技あり」のポイントを奪うと、3分すぎには小内巻き込みを決めて一本勝ちしました。
柔道の日本勢では今大会、初めての金メダルで、柔道の日本男子としては史上初めて金メダルなしに終わった前回、ロンドン大会のあとの強化を経て、2大会ぶりの金メダル獲得となりました。
また、今の階級で行われるようになった2000年のシドニー大会以降、日本が男子73キロ級で金メダルを獲得するのは今回が初めてです。

「金メダル当たり前という重圧が・・・」

大野将平選手は「柔道という競技のすばらしさや強さ、美しさを伝えられたと思う。金メダルを取って当たり前というプレッシャーが大きかったし、当たり前のことを当たり前にやることの難しさを感じたが、試合中は案外、冷静になれた」と話していました。

井上監督「潰されそうになった時も」

日本の柔道男子では2大会ぶりとなる金メダルを獲得した大野将平選手について井上康生監督は、「彼はプレッシャーを乗り越えられると思って、あえて『金メダルに最も近いのは大野だ』と言い続けてきたが、それを乗り越えて金メダルを獲得して本当にすばらしい柔道家だと思う」とたたえました。
そして「国内の最終合宿では、プレッシャーから練習がうまくいかないこともあって、時に潰されそうになった彼の姿も見た」と大野選手が思うような練習ができず、精神的に苦しんだ時期もあったことを明かしました。
日本の柔道陣はここまですべて銅メダルで、競技3日目に登場した大野選手が最初の金メダルとなり、井上監督は、「皆さんの期待に応えられてほっとした気持ちはある。大野選手が自分やチームを救ってくれたと思うし、この金メダルがこれからの柔道チームに大きな力を与えてくれる」と力強く話しました。

切れのある内股と大外刈りが得意技

男子73キロ級の大野将平選手は山口県出身の24歳。切れのある内股と大外刈りが得意技で、世界選手権では3年前と去年の2回、優勝しています。高い技術に加えて、外国選手にも負けないパワーをあわせ持ち、攻撃的な姿勢で相手を圧倒する持ち味の柔道を初めてのオリンピックでも発揮して、柔道の日本男子に2大会ぶりの金メダルをもたらしました。
東京にあった柔道の私塾、講堂学舎の出身で、オリンピック金メダリストの古賀稔彦さんや吉田秀彦さん、それに66キロ級銅メダルの海老沼匡選手が先輩になります。73キロ級は、世界選手権は2010年から日本選手が5大会連続で優勝していますが、オリンピックでは現行の階級区分で行われるようになった2000年のシドニー大会から金メダルがなく、前回の中矢力選手の銀メダルが最高でした。